アラブニュース 

リヤド：サウジアラビア労働監督庁（NLO）が発表した最近のレポートによると、サウジアラビアは、大規模な経済の多様化に取り組んできた結果、2012年から2021年にかけての労働力増加率がG20諸国の中で第1位となった。

サウジアラビアは、「ビジョン2030」に沿って雇用を創出する取り組みを着実に進めており、国際労働機関（ILO）の世界基準に基づく同国の主要労働関連指標にも明るい兆しが表れている。

そうした主要労働関連指標には、毎年の労働力増加率、労働力人口比率、雇用者数、失業率に加え、教育、労働、訓練の範囲外にある人口の割合が含まれている。

NLOとサウジアラビア労働市場指数は、サウジ化（サウダイゼーション）のさらなる推進と労働市場の規制を目的として2019年に設立、開始された。

NLOは、労働市場の将来を予測し、政策や各種プログラムを評価し、その効果を測定できる包括的かつ正確なデータに基づき、労働市場に特化した一連のサービスや製品を提供している。

サウジアラビア中央統計情報局によると、同国の失業率は、2022年第1四半期の6％から同第2四半期には5.80％に減少した。

サウジ化とは、公式にはサウジアラビア人雇用義務計画（ニタカート・プログラム）といい、経済的成功への重要なステップとみなされている。

サウジアラビア化のプロセスは1985年から進行してきたが、近年になって、同国の「ビジョン2030」構想のもと、若年層のサウジアラビア人の経済参加、非石油部門の開発・促進、生活全体の質の向上を目的とした大規模な規制・経済改革が加速している。

サウジの公共部門は、サービスのデジタル化により、国際基準や労働市場の需要に迅速に適応しつつある。

サウジ化の担当省は、最新のビジネスマネジメント手法を用いて、公的機関が労働者の能力と生産性を高めると同時に、民間企業と提携できる競争力のある労働市場を創出することを支援している。

先週、世界銀行が発表した2022年の「GovTech成熟度指数」（GTMI）では、サウジアラビアがデジタル政府変革部門において、アラブ地域で第1位、世界で第3位にランクインした。

「GovTech成熟度指数」の報告書によると、サウジはデジタル政府変革において非常に高いパフォーマンスを示しており、「非常に進んでいる国」のグループに入っている。

GTMIは、世界銀行の「GovTechイニシアティブ」の一環として開発された。政府の中核システムの支援、サービス提供の高度化、市民による関与の主流化、「GovTechイネーブラー（実現者）」の育成という4つの重点分野において、デジタル化された政府としての成熟度を測定するものだ。

「ビジョン2030」では、サウジアラビアの女性を、国力を支える重要な存在として後押ししている。

その目的は、女性の才能を伸ばし、女性のエネルギーを投入し、女性に自らの未来を築くための適切な機会を提供し、結果として社会の発展に貢献してもらうことにある。

サウジアラビア統計局によると、2022年3月現在、サウジアラビアの労働人口に占める女性の割合は33.6％となっている。

その割合は、5年前の17.4％から大きく伸びている。

2022年第1四半期の女性の失業率は、2021年第4四半期の22.5％から20.2％に低下し、ここ20年間で最低となった。

サウジ人材・社会発展省の広報担当者であるSaad A. Al-Hammad氏はアラブニュースの取材に対し、次のように述べた。

「当省は、職場における女性のポジティブなイメージを高めるための様々なインセンティブの導入や、女性の労働市場への参入を促進するための支援的かつ包括的な環境づくりを通じて、労働市場における包括性、多様性を実現する政策や取り組みを実践している」

Al-Hammad氏は、上級管理職と中間管理職に占める女性の割合について、2017年には28.6％だったのが、2022年第1四半期時点では39％に上昇したと付言した。

また、雇用の急増に拍車をかけた要因としては、サウジアラビアが「ビジョン 2030」の一環として、起業家精神の育成と新興企業および小規模事業者への投資促進を進めてきた中で、2022 年上半期に中小企業セクターが成長軌道に乗ったことも挙げられる。

サウジ中小企業庁によると、サウジアラビアの中小企業登録数は今年6月末時点で89万2063社に達し、2021年第4四半期から25.6％増加している。