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日銀黒田総裁の記者会見でのコメント

日本銀行の黒田東彦総裁(AFP)
日本銀行の黒田東彦総裁(AFP)
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21 Dec 2022 02:12:11 GMT9
21 Dec 2022 02:12:11 GMT9

日銀は20日、事前予想に反し、長期的な金融政策のコストを軽減する目的で、長期金利のさらなる上昇を可能にする長短金利操作 = イールドカーブ・コントロール(YCC)の一部見直しを行い市場に衝撃を与えた。

しかし、日銀は利回り目標を据え置き、国債の買い入れを大幅に増やすと述べた。この動きは、既存の超低金利金融政策の撤回というよりも、微調整であることを示すものである。

以下は、日銀会合後の記者会見での黒田東彦総裁のコメントの抜粋である。

日銀の決定の理由

春先から、世界的海外金融市場の変動が高まり、10年国債利回りが0.25%の上限を超えないようにしてきたが、イールドカーブの形状に若干の歪みが生じてきた。従って、そうした歪みを修正し、市場機能を改善するためには、今が適切なタイミングであると判断した。

金融政策の枠組

賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を持続的・安定的に実現できるよう目指す。それにはもう少し時間がかかるだろう。金融政策の枠組みの変更や緩和政策の出口について、具体的な議論をするのは時期尚早だ。目標の達成が見えてきたら、日銀の政策委員会で出口戦略について議論し、市場に情報発信していく。

市場機能の改善に注力

本日の措置は、市場機能を改善させ、金融緩和の効果がより円滑に波及していくためであり、利上げではない。

この変更は、金融政策の枠組みの持続可能性を高めるものであり、緩和政策の放棄や出口につながるような見直しでは絶対にない。

今回の措置は緩和政策の効果をそぐものではない。

消費者物価指数は、円安による輸入コスト上昇を主因に3.6%まで上昇した。さらに、インフレ期待が高まっている。これにより、実質金利が低下し、緩和効果が強まっている。そのため、イールドカーブの歪みを修正するために(変動幅を)広げたが、この動きは緩和効果をそぐものではない。

消費者物価指数

2023年度には消費者物価の上昇率は鈍化し、全体として2%を下回る可能性が高いと予想さる。そのため、当面は長短金利操作や量的緩和の見直しは必要ないであろう。

賃金上昇率

企業の収益が拡大し、そして賃金が上昇して物価が徐々に上がっていくという経済の好循環を目指したい。

春の賃金交渉の結果は重要だが、単一のデータだけでなく、その動きの背後にあるより広範な経済メカニズムをみて政策決定を行う。

ロイター

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