
ソフトバンクは22日、人工知能(AI)を使って10台の自動運転車を1人で遠隔監視できるシステムを東京都内で公開した。自動運転車を都内の公道で走らせる実験と併せて6月まで技術の検証を続け、公道走行で課題となる運行管理を支援するシステムの実用化を目指す。
4月1日の改正道交法施行で、特定の条件下で運転者のいない完全自動運転を認める「レベル4」が解禁され、許可を受けた事業者は無人巡回バスや配送ロボットなどによる自動運転サービスの提供が可能となる。その際、運行管理や緊急時の対応を担う「特定自動運行主任者」の配置が義務付けられる。
自動運転サービスは過疎地域での活用が期待されるが、1人で複数の自動運転車を監視できなければ導入コストが増え、普及の妨げとなる。
実証中のシステムは、AIが人に代わって車両周辺の異常を検知するため、主任者が複数の車両を遠隔で監視しやすくなる。公開されたシステムは監視モニター上で、歩行者らを検知して減速した車両を黄色で警告。一時停止した車両には緊急度の高い赤色を表示し、車線変更を促していた。
ソフトバンクは、レベル4のサービスを導入する自治体や事業者へのシステム提供を目指しており、将来の運行業務の無人化を見据えた研究開発も進めていく。
時事通信