
リヤド:サウジアラビアのムハンマド・アル・ジャダーン財務大臣によると、「ビジョン2030」で示された同国発展の目標を目指す行程は2030年以降も続く。
財務相は24日、ドーハで開催された「カタール経済フォーラム」において、サウジには長期的なインフラ開発計画があると述べた。
ジャダーン大臣の発言は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が王国の経済活動を石油以外にも広げる目的で2016年に立ち上げた「ビジョン2030」イニシアチブに言及している最中になされた。
「この行程は2030年には終わらない。これは継続中の行程であり、捉えて利用できる機会が豊富にある」と大臣は述べた。
そして「インフラに多くの投資がなされており、長期的な投資が計画されている。私たちはそれを自国だけにとどめることはない。実際に、GCC(湾岸協力会議)のみならず、より広い地域が恩恵を受けられるように努力している」と続けた。
大臣はサウジがここ数年で発展を成し遂げた事例も取り上げ、2022年にG20諸国の中で最速の経済成長を達成したのは王国だったと述べた。
「私たち(サウジアラビア)の昨年の結果は8.7%(の経済成長)だった。さらに重要なのが非石油部門で、昨年は5.4%、2023年の第1四半期は5.8%成長した。失業率が史上最低となる一方で、民間部門の就業者数は最高を記録した」
大臣はまた、サウジの女性労働参加率が現在、5年前の2倍の36%になっていると指摘した。
さらに、独自の地理的な位置を考えると、湾岸地域、特にサウジアラビアには世界的な貿易ハブになれる潜在性がそろっているとも述べた。
「サウジアラビアは非常に独特な場所に位置している。貿易路が交差する地点であり、アジア・アフリカ・ヨーロッパをつないでいるのだ。そこから競争優位性が得られる。世界トップ10の港の数にもそれが表れており、湾岸地域の港がランク入りしている。国際旅客数の面で言えば、湾岸地域の空港の利用者数は世界最大規模の可能性もある」
「非常に困難な現在の世界において、この地域はかなり明るい兆候を示している。これは偶然ではない。経済の多様化を目指して長い間協調してきた結果、とても力強い進展を成し遂げたのだ」
同じフォーラムに登壇したIMFのクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は、湾岸地域の特色は「改革を追求する素晴らしい決意」にあると述べた。
そして「石油やガスが湾岸地域の財産だという意見がある。実のところ、持続可能な長期の行程に経済を乗せるという湾岸地域の決意こそが財産なのだ」と続けた。