
ロンドン:ドバイ・マルチ・コモディティ・センター(DMCC)の調査によると、中東および北アフリカ(MENA)地域におけるゲーミング産業の収益は、2027年までに60億ドルに達すると見込まれており、2021年の数値からはほぼ倍増となる。
「貿易の未来 2023(Future of Trade 2023)」レポートは、デジタルネイティブの若者人口や、高水準の接続性、政府の支援によって、MENA地域のゲーム産業が今後数年間でどのように成長していくのかを明らかにする。
消費者として、またクリエイターハブとしてのこの地域の台頭を促進しているのが上記の要因だ。
「ゲーミングは世界的にエンターテインメントの最前線となり、特にMENA地域で急速な成長を推進しています。この地域のプレイヤーベースは、現在全世界の15%を占めるまでになりました」と、DMCCの会長兼CEOを務めるアーメド・ビン・スレイヤム氏は述べる。
ゲーミングとeスポーツ、いずれも好調だ。地域でそれらを牽引しているのは、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアである。高所得、デジタルエンゲージメント、そして公共投資がそれを支えている。
世界的には、最大市場となっているのはアジア太平洋地域だ。トッププレイヤーには中国、米国、日本が並ぶ。
DMCCレポートによると、世界のゲーミング市場は2021年の1984億ドルから、2027年までに約3400億ドルに達することが予想されているという。2025年までに、世界のeスポーツ愛好家数は、2020年の2億1520万人から3億1800万人を超えるまでに増加する。
同時に、eスポーツを時折視聴する人は、2025年までに約3億2270万人になることが予測されている。
スレイヤム氏はこのブームについて、部分的には、教育や医療を含むセクターの「ゲーミフィケーション」の増加によるものであると述べた。
「ゲーミングセクターの加速的成長を確実にすることは、世界中の市場の未来のみならず、貿易の未来にも重大な影響を及ぼすでしょう」と彼は述べた。
「DMCCは、世界的な貿易と経済のハブとしてドバイの評判を固めようとしています。ゲーミングセクター内の機会を効率的に活性化することは、そのために不可欠であることが分かるでしょう」
同レポートは、業界の加速的成長にとって重要な推進力を確立するために、ストラテジーアンドのパートナーであるジャド・エル・ミール氏、YaLLa EスポーツのCEO兼創設者であるクラウス・カジェツキ氏といった主要な業界リーダーから意見を集めている。
また、ゲーミングやeスポーツへの影響を、テクノロジー、文化、ビジネスの観点から分析している。同レポートは、世界的な傾向と課題、そしてゲーミングハブとしてのMENAの台頭を掘り下げている。
DMCCは12月、その潜在的経済力を利用しようとYaLLa Eスポーツ(ドバイを拠点とするプロeスポーツ組織)と提携し、DMCCゲーミングセンターを立ち上げた。
このセンターは、グローバル資本、業界の優れた人材、効率的かつ自信に満ちた運営を可能にするエコシステムへのアクセスを企業に提供することで、ドバイのゲーミング産業の成長を支援する。
UAEの堅固なビジネス環境と戦略的立地のおかげで、ユービーアイソフト、テンセント、ライアットゲームズなどの国際的なゲーミング開発企業がこの地域にオフィスを開設するようになった。
一方で、サウジアラビアはゲーミング産業に17億ドル以上を投資し、それをNeomプロジェクトへ統合した。