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国連でエネルギー変革への総合的な取り組みを呼びかけるサウジアラビア

気候変動の課題とその持続可能な開発に対する影響への取り組みの重要性を訴えるサウジアラビアのアブドゥルアジズ・アルワシル国連常駐代表。(Twitter: @ksamissionun)
気候変動の課題とその持続可能な開発に対する影響への取り組みの重要性を訴えるサウジアラビアのアブドゥルアジズ・アルワシル国連常駐代表。(Twitter: @ksamissionun)
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15 Jun 2023 04:06:39 GMT9
15 Jun 2023 04:06:39 GMT9
  • 気候変動対策は包括的かつ脆弱な社会にとって保護的でなければならないと、サウジアラビアの国連特使が述べた
  • UAEは世界の平和への脅威となっている環境問題への安保理の行動強化を要請した

エファレム・ コッセイフィ

ニューヨーク:サウジアラビアは、火曜日、国連安全保障理事会の会合で、エネルギー変革の3つの柱(供給源の安全性、経済発展、気候変動への対応)を等しく優先することが最も脆弱な国々を含むすべての国々の保護を確保することに繋がると発言した。

サウジアラビアのアブドゥルアジズ・アルワシル国連常駐代表は、技術や解決策は「包括的」でなければならないと述べた。

「有望で実行可能なすべての解決策に資金を振り分ける必要があります。そして、特定のエネルギー源を優先するのではなく、排出量に焦点を置くべきです」

「そのため、サウジアラビアは、開発計画に沿って、排出量の削減とネットゼロエミッションを確実に行うべく、バランスの取れた取り組みを採用しています。サウジアラビアは、サプライチェーンに影響を及ぼすことなく、経済的多様性を促進しようとしています。また、その一方で、他の国々と協力して、排出量を削減する技術の開発も行っているのです」

この会合は、国連安保理の6月の輪番議長国であるUAEの招集によるものである。

「気候変動は私たちの時代の決定的な課題です」と、UAEの趣意書は述べている。

「激化する異常気象や海面上昇、食料・水の危機、生物的多様性の減少、健康リスクの増大といった相互に関連した影響は、人間の生命や生活、生態系を脅かし、国家や地域、そして世界の安定に悪影響を及ぼします。このような多面的な課題には前例がありません」

UAEは、趣意書で、気候変動が世界の平和と安全に与える影響を熟考するよう参加国に呼びかけた。

サウジアラビアのアルワシル国連常駐代表は、「サウジアアラビアは、特に現在の2020年代において、気候変動に関連する環境変化との対峙の面で、目標値を高める必要がある事を十全に認識しています」と述べた。

「これが、サウジアラビアが国家として貢献を増加するに至った理由です。排出量を2030年までには年間278トン削減します。これは、サウジアラビアが当初2015年に発表した目標値の2倍以上に相当します」

アルワシル国連常駐代表は、「サウジアラビアは、また、循環炭素経済の方針に沿って、2016年までにネットゼロエミッションを確実なものとする意欲的な計画も発表しました」と付け加えた。

「また、サウジアラビアは、2020年までに全世界のメタン排出量の30%削減を目指す国際的なメタン削減公約にも参加しています」

こうした公約に加えて、アルワシル国連常駐代表は、2030年までに電力の50%,を再生可能資源から作り出すといサウジアラビアの誓約を繰り返した。

世界で深刻化する環境問題に対しては、建設的な解決策のために国際協力を集約していく事が必要だとアルワシル国連常駐代表は語った。その目的は、異常気象に対して脆弱な社会を保護し、異常気象の持続可能な開発に対する影響を熟慮し、経済的、社会的、環境的な課題に取り組むことなのだとサウジアラビア国連特使のアルワシル氏は述べた。

アルワシル国連常駐代表は、適応と緩和のバランスを調整し、両面的で公平な投資を行う統合的かつ国際的な取り組みを呼びかけた。こうした取り組みは、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)とパリ協定の実施に向けての取り組みが為されている間、世界経済の回復の一助となるだろう。

サウジアラビアが、気候変動の問題に対して「植樹や土地修復、サンゴ礁の保護といった循環型炭素経済を国内だけでなく中東地域全域で行う事」を企図する「グリーン・サウジアラビア」と「グリーン・ミドルイースト」という取り組みを開始したのもこの文脈に沿ったものだとアルワシル国連常駐代表は付け加えた。

この取り組みには、また適応の重要性に対するサウジアラビアの考えが反映されているとアルワシル国連常駐代表は語った。

「グリーン・サウジアラビアの取り組みでは、サウジアラビア国内全域に100億本の植樹を行うことを目指しています。これは、1,400万ヘクタールの土地の再生に相当しており、保護域をサウジアラビアの陸域と海域の30%以上までに拡大するものです」

「それに加えて、サウジアラビア北部に130平方キロメートルに及ぶサルマン・ビン・アブドルアジーズ国王保護区を設けて生態系の回復と野生動物の保護を目指すという特定の地方に焦点を置いた取り組みも複数行っています」

今回の会合の議長を務めたUAEのマリアム・アル・ムヘイリ気候変動・環境相は、世界平和と安全保障に気候変動が及ぼす影響の緩和のために、安保理の行動を強化しなければならないと述べた。

アル・ムヘイリ気候変動・環境相は、「気候変動の空前の規模と複雑さが世界の多国間システムの対応能力に比類の無い課題を提起している」ため、これまでの安保理の取り組みは「不十分」の域から出ていないと語った。

アル・ムヘイリ気候変動・環境相は、安保理に対して、紛争には「気候変動も視野に収めた」取り組みを行うよう呼びかけた。さらに、平和活動の任務すべてにおいて、気候変動への配慮が必須であるとアル・ムヘイリ気候変動・環境相は付け加えた。

「また、この気候変動の課題を巡っての安保理での検討の二極化も避ける必要があります。皆さん、安保理の管轄について正当な懸念を持つ人々を退けたり、中傷するのには、危険が高すぎるのです」

ドバイでは、2023年国連気候変動会議、または、UNFCCC締約国会議、一般的にはCOP28と呼ばれる会議が11月に開催される。

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