リヤド:サウジアラビアの非石油事業活動は、観光と建設部門に牽引され6月に大幅に拡大したことが経済追跡調査により明らかになった。
S&Pグローバルがまとめた最新のリヤド銀行サウジアラビア購買担当者景気指数報告書によると、同国の購買担当者景気指数(PMI)は 5 月の58.5から6 月には59.6に急上昇した。
しかし、この6月の数値は2月に59.8を記録した同国の8年ぶりのピークをわずかに下回っている。
同指数では、PMIが50を上回ると非石油民間部門の成長を示し、50を下回ると縮小を示す。
リヤド銀行のチーフ・エコノミストであるナイーフ・アル・ガイス氏は、「サウジアラビアの非石油民間部門は、特に建設業と観光業で新規ビジネスの流入が加速したため、第2四半期末まで急成長軌道を維持した」と述べた。
同報告書はさらに、6月の需要の高まりと市場環境の改善により、雇用の伸びが2015年8月以来の高水準に加速したと指摘した。
アル・ガイス氏は、「リードタイムが過去13年間で最も急速に改善したため、サプライチェーンは需要増に対応することができ、顧客に請求する価格のさらなる上昇を効果的に抑えることができた」と付け加えた。
非石油民間部門の強化は、石油への依存を減らすことを目指すビジョン2030の目標に沿った、サウジアラビアが現在進行中の経済多様化の取り組みの一環である。
PMI報告書によると、サウジアラビアの企業は今後数ヶ月間に予想される成長に備え購買活動を活発化させ、在庫の強化を図っており、在庫の蓄積率は10ヶ月ぶりの高水準に達している。
同調査は、企業の景況感は引き続き良好で、1月以来最高となったと付け加えている。
報告書によると、景況感の上昇は主に政府支援による投資、特に建設とインフラプロジェクトによってもたらされたという。
「最近の需要と販売の回復により、業界全体の景況感が改善され、今後数ヶ月はこのような良い傾向が続くとの期待が高まっている」とアル・ガイス氏は述べた。