
リヤド:サウジアラビアはグローバル企業への出資比率を高め続けている。同国の公的投資基金(PIF)は2023年第2四半期、389億3000万ドルの米国株保有を計上した。 これは第1四半期の355億2000万ドルから増加している。
この保有額の高さは、米国証券取引委員会への提出書類で確認されるように、PIFがルーシッド・グループ、エアープロダクツ、アリババなどの有名米国企業への投資を拡大していることによるものだ。
前四半期比での急増に最も目立って貢献したのは、PIF傘下のアヤル・サード・インベストメント・カンパニーを通して行われた18億ドルの投資である。
PIFは6月、この取り組みを通して、電気自動車メーカーであるルーシッド・グループの株式を2億6570万株取得した。
また、米国の化学・ガス企業であるエアプロダクツの株式を45万5500株増やし、投資総額は8億2300万ドルに達した。
さらに、アリババ・グループUSの株式を42万1420株取得し、第2四半期末までの投資総額は1億2140万ドルに達した。
一方、アルガームのデータによると、PIFは今年第2四半期に、感圧接着剤の製造・販売企業であるエイブリィ・デニソンの株式19万3600株を売却した。
さらに、同期にデジタルヘルスケア企業であるバビロンの全保有株300万株を売却した。
PIFによる現在の投資活動は、ビジョン2030に沿ったインパクトのある投資戦略を主導するための取り組みの延長として行われている。
PIFは設立当初に6つの投資プールを設定した。4つはサウジ市場を対象とするもので、2つは国際情勢に焦点を当てたものだ。
「国際戦略投資プール」は、直接的・間接的な出資を通して息の長いパートナーシップを確立するための長期投資の組み合わせで構成されている。
一方の「国際分散プール」は、債券、公募・私募株式、不動産、インフラ、オルタナティブ・ファイナンスを通した長期的な商業投資リターンに重点を置くことで、分散された資産基盤・富の蓄積を提供することを目指している。
PIFはこれまで、13の戦略的分野において85の会社を設立し、50万人以上の雇用を創出し、約7000億ドルの運用資産を積み上げてきた。