Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 最高裁判所がクルド人の野党党首の釈放を命じ、エルドアンに打撃

最高裁判所がクルド人の野党党首の釈放を命じ、エルドアンに打撃

2015年4月1日、アンカラでAFPのインタビューに応じて話すトルコの主要クルド人政党である国民民主主義党(HDP)の党首、セラハッティン・デミルタシュ(AFP)
2015年4月1日、アンカラでAFPのインタビューに応じて話すトルコの主要クルド人政党である国民民主主義党(HDP)の党首、セラハッティン・デミルタシュ(AFP)
イスタンブールでの集会に参加する親クルド人派国民民主主義党(HDP)の支持者ら。彼らは彼らの運動に対する政府の弾圧に抗議している。(AP)
イスタンブールでの集会に参加する親クルド人派国民民主主義党(HDP)の支持者ら。彼らは彼らの運動に対する政府の弾圧に抗議している。(AP)
Short Url:
20 Jun 2020 01:06:55 GMT9
20 Jun 2020 01:06:55 GMT9

アラブニュース

  • 「クルド人のオバマ」と呼ばれているデミルタスは、2015年6月のトルコの選挙では、トルコ人のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の手ごわい対抗馬だった。

アンカラ:トルコの憲法裁判所は木曜日の夜、元大統領候補者で親クルド系の国民民主主義党(HDP)の共同党首であるセラハッティン・デミルタシュの釈放を命じたと発表した。

憲法裁判所は、拘留が「合理的な時間」を超えていたため、デミルタシュの釈放の権利が侵害されたと判断し、デミルタシュへTL50,000(7,289ドル)の賠償金を支払うよう命じました。

この驚くべき判決は、欧州人権裁判所(ECHR)によるデミルタシュの釈放を求める複数の要求に続くものである。与党である公正発展党(AKP)は、デミルタシュは非合法組織であるクルド労働者党(PKK)とつながりがあるとして非難しているが、デミルタシュと国民の民主主義党の双方が否定している。

デミルタシュは、テロ容疑により2016年から最大142年の刑を宣告され投獄されているが、捜査で容疑者として指名されていないにもかかわらず、2014年10月のクルド人による抗議に関連する事件に関して現在拘束されているため、直ちに釈放されることはない。

今回の裁判所の木曜日の判決について人権活動家は、トルコが創立メンバーである人権団体である欧州評議会からの増大する圧力を緩和するための戦術的な動きであると述べる。本件は欧州人権裁判所の大法廷ではまだ係争中であり、大変注目されている。欧州人権裁判所は2018年11月、デミルタシュの拘留は正当化されないと述べたが、通常、国内の関連する司法制度のすべての手段が尽きるまでは、公式な判決は出さない。

「クルド人のオバマ」と呼ばれるデミルタシュは、2015年6月のトルコ選挙で、トルコ人のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に対抗し、リベラル派や左翼派の有権者に働きかけることで、これまで限られていたクルド人の支持者を拡大し、結果として親クルド派が初めて議会での議席を獲得した。

しかし、カリスマ的指導者の快進撃は2016年11月に投獄されたことにより、中断した。

「トルコの最高裁の判決は、デミルタシュの即時釈放の必要性を改めて確認するものだった。しかし、今日の司法の状況下ではすぐに実現する可能性は低いだろう」と人権派弁護士のエルダル・ドガンはアラブニュースに語った。

「この事件は政治的である。しかし、与党政府がクルド紛争に対し民主的な手段を選ぶならば、デミルタシュと数百人の国民民主主義党の幹部を釈放しなければならない。これは選択の問題である」と彼は続け、シリアとリビアの国境を越えた状況とロシアとの進行中のスタンドオフにより、トルコにとって現状はさらに複雑であることを付け加えた。

「デミルタシュは一分たりとも獄中で過ごすべきではないが、残念ながら彼のケースは交渉すべき(交渉しなければならない)多くの国内的及び国際的な力学に関連している」とドガンは述べた。

デミルタシュは刑務所で心臓に関連した健康問題に苦しんできた。しかしトルコの最近の判決では、刑務所の過密状態を緩和し、新型コロナウイルスの世界的大流行から囚人らを保護するため9万人の囚人の釈放を許可したが、テロ容疑で投獄された囚人は除外され、彼は投獄されたままであった。

アムネスティ・インターナショナルは最近、新型コロナウイルスによる世界的大流行の中でトルコの政治犯の釈放を求めるキャンペーンを開始した。彼らの命が危険にさらされている可能性があると警告し、法務省が新型コロナウイルスの世界的流行に対応するため定めた健康上の注意事項における懸念を強調した。

アムネスティのトルコ上級研究員アンドリュー・ガードナーは、同団体が状況を監視しているとアラブニュースに語った。ヒューマン・ライツ・アソシエーションの新しい報告書は、新型コロナウイルスの世界的流行中の刑務所の状況が懸念されると述べ、アムネスティの懸念に同意している。

アムネスティの研究者はまた、ガードナーが「根拠のない」と表現したデミルタシュに対する訴訟が政治的動機に基づくものであり、政府がデミルタシュを黙らせ、デミルタシュの支持者を脅迫するためにこれらの訴訟を利用してきたことは以前から明らかであると指摘している。

「デミルタシュだけでなく、活動家のオスマン・カヴァラやその他多くの政府批判者を監禁するトルコ政府に対し、圧力が高まっている。今回裁判所による判決が出たことにより、欧州評議会はなぜデミルタシュだがなぜまだ拘束されているのかについて、トルコ当局にさらに質問することができる」とガードナーは、述べた。

「本件は公判前拘留(に関する)権利の完全な侵害であり、人々の健康を脅かす新型コロナウイルスの世界的大流行と相まって、このような判決が出たことは良いことだ。」と加えた。さらに「憲法裁判所はこのような訴訟により積極的に取り組むべきだ。この判決が出るまでここまで時間がかかったのは残念だ。デミルタシュは投獄されるべきではなかった」と続けた。

特に人気
オススメ

return to top