• 2023年予算案には24パーセント（46兆レバノン・ポンド）の国家赤字が含まれている
• 2019年にレバノン経済が崩壊し始めた2019年以降、レバノン・ポンドは大幅に下落した

ベイルート：ワシム・マンスーリ中央銀行総裁代行は25日、レバノン中央銀行は国家への融資や、危機的状況に陥った経済の予想赤字補填のために紙幣を刷ることはないと述べ、緊急の財政改革を行うよう指導者たちに呼びかけた。

マンスーリ氏は中央銀行での記者会見で、2023年の国家予算案には24パーセント（46兆レバノンポンド）の赤字が含まれていることを明らかにした。 これはロイターの計算によると、崩壊したレバノン・ポンドの平価換算で約5億ドルに相当する。

「我々は本日、中央銀行がドル建てでもレバノン・ポンド建てでも、政府への融資によって赤字を補填することはないと断言する。赤字を補填するためにレバノン通貨を印刷することはない」と同氏は記者団に語った。

マンスーリ氏は、「公務員を通じて市場に現金を送り込む」ため、政府は8月の公務員給与を1ドル当たり8万5,500レバノン・ポンドの為替レートで計算して米ドルで支払うと述べた。

マンスーリ氏は8月1日、前総裁のリアド・サラメ氏が自身の汚職疑惑 (本人は否定している) や金融部門の混乱を理由に30年間の任期を終えた後、中央銀行のトップに就任した。

レバノン経済が崩壊し始めた2019年以降、ポンドは大幅に下落し、預金者は銀行預金から締め出され、家族は貧困に追い込まれた。

しかし同国は、国際通貨基金（IMF）が30億ドルの援助を得るために要求した改革を実施できずにいる。

マンスーリ氏は、これ以上改革を遅らせることは、「この国を世界の金融システムから孤立させる危険がある」と述べた。

ある金融犯罪監視組織は今年、レバノンが改革を実施しない限り、資金洗浄やテロ資金供与を防止するための実務が不十分であるとして、強化監視のグレーリストに加えられる可能性があると警告した。

ロイター