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米、エヌビディア製AI半導体の一部中東諸国への輸出を制限

エヌビディア本社にある同社ロゴ。2022年5月、カリフォルニア州サンタクララ。(エヌビディア提供/ロイター経由の資料写真)
エヌビディア本社にある同社ロゴ。2022年5月、カリフォルニア州サンタクララ。(エヌビディア提供/ロイター経由の資料写真)
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31 Aug 2023 07:08:29 GMT9
31 Aug 2023 07:08:29 GMT9
  • 米国は以前、国家安全保障上の理由からエヌビディア製AI半導体の中国への輸出を制限していた
  • エヌビディアは、中東のどの国が対象であるかを明らかにしていない

米国は、エヌビディア製の人工知能(AI)向け先端半導体の輸出制限の対象国を中国だけでなく中東の一部の国を含む他の地域にも拡大した。同社が今週に規制当局に提出した書類で明らかになった。

米当局は、国家安全保障上の理由から輸出制限を課す場合が多い。昨年発表された同様の措置は中国の技術力に対する米国の取り締まりの強化を示唆するものだったが、今回の措置によって中東への輸出にどのようなリスクがもたらされるかは現時点では明らかではない。

エヌビディアは、機械学習タスクを高速化するために設計された半導体「A100」と「H100」を対象とした今回の輸出制限について、同社の業績に「直ちに大きな影響」を与えるものではないとしている。

エヌビディアは別の声明の中で、新たな許可要件は「当社の売上高の重要な部分には影響しない。米政府と協力してこの件に対処している」と説明している。

輸出に関する新たな許可要件を通常管轄する米商務省はコメントの要請に今のところ応じていない。

エヌビディアの競合企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)も昨年9月、同社製のAI半導体「MI250」の対中輸出の停止につながる新たな許可要件を課されたことを明らかにした。

その後、エヌビディア、AMD、インテルはいずれも、中国市場向けに輸出できるよう性能を落としたAI半導体の開発計画を発表した。

エヌビディアは8月28日付けの提出書類の中では新たな制限の理由について述べていない。同社は昨年、A100とH100の対中輸出制限について、「これらの製品が中国において『軍事最終使用』あるいは『軍事最終使用者』に使用あるいは転用されるリスクに対処するもの」だとの説明を米当局から受けたことを明らかにしている。

エヌビディアは今回、中東のどの国が対象であるかを明らかにしていない。同社の5~7月期決算における売上高135億ドルの大半は米国、中国、台湾が占め、その他地域の割合は約13.9%となっているが、中東地域の内訳は公表されていない。

8月28日付けの提出書類には次のようにある。「2024年度第2四半期に米政府から、中東の一部の国を含む特定の顧客およびその他の地域向けのA100およびH100に関する追加の許可要件について通知があった」

昨年の輸出制限は、エヌビディアを含むほぼ全ての大手半導体企業の半導体が製造されている台湾をめぐる緊張が高まる中で発表された。

バイデン政権は2022年10月、世界各国で米国の製造装置を使用して製造された半導体の対中輸出禁止を含む一連の包括的な輸出制限を導入し、半導体関連の規制を一歩進めた。この措置により、中国の技術的・軍事的進歩を遅らせるうえでの米政府の行動範囲は大幅に拡大された。

日本とオランダも今年、同様の規制で追随している。

エヌビディアやAMDなどが提供する米国製AI半導体を入手できなくなれば、中国の企業・機関は画像・音声認識を含む多くのタスクに使用される高度な計算をコスト効率的に実行することができなくなる。

画像認識や自然言語処理は、質問への応答や写真のタグ付けが可能なスマートフォンなどのコンシューマーアプリにおいて一般的に使用されている。また、衛星画像からの武器・基地の探索や、情報収集目的のデジタル通信フィルタリングなど、軍事的用途にも使われている。

ロイター

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