
ブリスベン:元世界1位で母になったばかりの大坂なおみは1月1日、長期離脱後の初戦の勝利を誇らしいと語る一方、「とても緊張していた」と認めた。
26歳の大坂は、ブリスベン国際での初戦、パット・ラフター・アリーナで1時間47分にわたってプレーし、対戦相手のドイツのタマラ・コルパチュを6-3、7-6(11/9)で下した。
「とても緊張しましたが、あの場所にいられてわくわくしました」と、大坂は語った。グランドスラム通算4勝の彼女は、2022年9月にメンタルヘルスの問題を理由にテニスから退いていた。
「早いうちに厳しい試合に当たるのはいいことだと思います。この先への訓練になるので」
「楽な対戦相手はいないとわかっているので、初戦を6-1、6-1で勝てると思うような楽観は、わたしには考えられません」
「試合を振り返ると、率直に言って自分をとても誇らしく思います。かなり高いレベルのプレーができたと感じます」
昨年7月に娘を出産したあと、大坂は再びテニス愛に目覚め、2024年のシーズン復帰を決めた。
大坂はブランクを感じさせないプレーで第1ゲームでブレイクを奪い、さらにブレイクを重ねて、第1セットを比較的簡単に先取した。
しかし、第2セットはコルパチュが立て直し、大坂にプレッシャーをかけた。
コルパチュは第2セットの最初のゲームで大坂のサーブをブレイクし、大坂もすぐさまブレイクを奪い返したものの、コルパチュの粘り強いプレーにより拮抗した展開に。
大坂は再びブレイクを奪い、5-4でサービング・フォー・ザ・マッチを獲得するが、またもやブレイクを許し、タイブレークに持ち込まれる。
大坂は2度のマッチポイントを逃し、コルパチュも2度のセットポイントを失い、最後は大坂が強烈なフォアハンドで3度目のマッチポイントをものにした。
大坂は試合後のインタビューで、母親になってテニスへの向き合い方が変わったことや、以前はファンやほかの選手との間に壁をつくっていたことを明かした。
「娘が産まれる前の数年間のプレーでは、わたしは受け取った愛を十分に返せていませんでした」と、彼女は語った。
「だから復帰後は恩返しをしたいと強く思っていました。この場に来て応援してくれる方々に本当に感謝しています」
「こんなに早く、こんなに大きく成長できたのは娘のおかげです」と、大坂は言う。
「コートの外でも、対戦相手も含めてまわりの人たちを意識し、感謝の気持ちをもつようになりました」
男子シングルスでは、世界8位でトップシードのホルガ・ルーネ(デンマーク)が第1セットを奪われたあと逆転し、オーストラリアのマックス・パーセルを破った。
パーセルはビッグサーブを武器に、精彩を欠くルーネから第1セットを奪ったが、ルーネは試合が進むにつれ調子を取り戻して主導権を握り、4-6、6-4、6-2で逆転勝ちした。
第2シードのグリゴール・ディミトロフも、第1セットを譲ったものの巻き返し、4-6、7-5、6-2で元世界1位のアンディ・マリーを下した。
この日最初の試合では、ロシアのロマン・サフィウリンが2時間半以上にわたる激戦の末、第3シードのベン・シェルトン(米国)に6-3、6-7(5/7)、6-3で勝利した。
AFP