• アザイザ氏のインスタグラムのアカウントはフォロワー1800万人を数え、ジョー・バイデン米大統領を超える
• 24歳のアザイザ氏は、イスラエルがガザに仕掛けた残忍な戦争の日々の現実を垣間見る、世界の眼となった

アラブニュース

ロンドン：戦禍に引き裂かれたガザ地区から目を奪われずにいられない報道を続けてきた、パレスチナ人フォトジャーナリストのモタズ・アザイザ氏が、23日にガザから退避しドーハに無事到着したことを報告した。

アザイザ氏は世界の脚光を浴び、インスタグラムのフォロワー数は開戦108日にして1800万人を超えた。彼はイスラエル軍による侵略や、包囲されたガザ地区への容赦ない爆撃という日々の現実を伝えてきた。

23日朝、24歳のアザイザ氏はソーシャルメディアに真摯な動画を投稿し、ガザ地区から退避したことを報告した。彼は安堵と悲しみが入り交じる心情を吐露し、「みなさんがこの重くて臭い（報道関係者用）ベストを着たわたしを見るのはこれが最後です。わたしは今日、退避を決断しました……できれば早く戻ってきて、ガザの再建を手伝いたいと思います」と語った。

アザイザ氏は退避を決断した複数の理由を匂わせ、そのうちのいくつかは視聴者がすでに承知のものだとした。

フォトジャーナリストの彼は、殺害予告を受け取ったことや、イスラエルが提案したとされるガザ攻撃の報道をやめさせるための取引について公言している。

ガザ地区を退避した彼は、国境を越えてエジプトのエル・アリーシュ空港に到着し、そこからカタールの軍用機に搭乗した。

アザイザ氏はフォロワーに、飛行機に乗るのは初めてだったと明かした。

彼がインスタグラムに投稿した退避を報告する動画は、すでに250万以上の「いいね！」を獲得し、押し寄せる応援コメントのなかには、ケラーニ、カレン・ヴァゼン、アラナ・ハディッドら著名人によるものも見られる。

アザイザ氏のような市民ジャーナリストは、ガザ戦争における人々の声を届けるうえで不可欠な役割を果たしてきた。インスタグラムなどのプラットフォームを通じ、かれらは世界のオーディエンスと深い情緒的な連帯を築き、血なまぐさい紛争が人々に与える影響に光をあてた。

ガザ地区の状況悪化により、ほかのジャーナリストも退避を余儀なくされた。アルジャジーラのガザ支局長を務めるワエル・ダハドゥ氏は、同じくジャーナリストの息子ハムザ氏をイスラエルの空爆で亡くしたあと、ドーハで治療を受けるため今月上旬に退避した。22歳のジャーナリスト、プレスティア・アラカド氏は、家族の健康状態への懸念から、11月に豪メルボルンに移住した。

多くのジャーナリストが退避を強いられるなか、依然ガザ地区から報道を続ける著名ジャーナリストもいる。9歳のラマ・ジャムース氏、25歳のビサン・オウダ氏、29歳のヒンド・コウダリー氏などだ。