ドバイ:Emirati Comicsは、アラブ首長国連邦のアル・アインにあるアラブ首長国連邦大学のサラ・ネスティ・ウィラード博士による博士研究プロジェクトであり、地元のアーティストにスポットライトを当て、彼らを世界的にプロモーションすることを目的としている。
このプロジェクトは、アラブ首長国連邦のアーティスト・コミュニティを紹介するために2022年に始まった。ウィラードさんはアラブニュース・ジャパンの取材に対し、「(これらのアーティストは)パイオニア・アーティストの第一世代と言えます。彼らの多くは独学で絵を描き、情熱を職業に変えてきました」と語った。
UAEには他にもアーティスト・コミュニティに焦点を当てた協会があるが、ウィラードさんの研究プロジェクトは学術的な研究を通してそれを紹介する試みである。
「独自のブランディングとして彼らのムーブメントのローカライゼーションに貢献する試みです。だからこそ、彼らの芸術を排他的で確立された協会や美術館で紹介することが重要なのです」と彼女は語った。
「UAEのイラストレーターとグラフィック・アーティストの代表的なグループを設立することは、UAEのコミックとイラストレーションを、国内外における新しい文化的傾向、適切な芸術運動として定着させることにつながるでしょう。美術書やカタログが書かれるとき、これらのアーティストは自動的に新しい芸術運動として分類されるからです。彼らの作品は、その国の文化遺産の一部となるのです」
研究者はプロジェクトを立ち上げる間、複数のアーティストに声をかけても返事がないなど、多くの困難に直面した。
「たとえ長期的には双方にとって有益であったとしても、よく知らない人を信頼し、長期のプロジェクトに関わるのは難しいことだと理解しているからです」とウィラードさんは振り返った。
さらに、彼女はプロジェクトのための場所やスポンサーを自分で見つけなければならなかった。「コンセプトを作り、アーティストのリストを作り、協会に詳細を伝え、すべての詳細が正しいことを確認するのは、とてもエネルギーがいりました。でもこのプロジェクトが徐々に成長し、現実の世界で形になっていくのを見るのは楽しいことでもあります」
このプロジェクトはイタリアとスペインで展示された。9月21日から10月30日まで、アブダビのマナラ・アル・サディヤット現代美術館で展示される。また、2025年には王国でも展示される予定だ。ウィラードさんは、何人かのイラストレーターが日本での展示を提案していることを明かした。