東京:白手袋にベストを着用した完璧な制服姿の22歳の女性、奥野葉月氏は、火曜日に60周年を迎える日本の象徴的な交通機関の円滑な運営を支える厳格なプロトコルのリハーサルを行うため、新幹線の模型に乗り込んだ。
高速新幹線は1964年10月1日に東京と大阪間で運行を開始し、第二次世界大戦後の敗戦から経済大国へと成長した日本において、鉄道旅行の新時代を告げた。
このサービスは、今もなお日本の経済と生活に欠かせないものである。そのため、車両を驚くほど清潔に保ち、定刻通りに運行し、事故のないようにすることは、重大な任務である。
10階建ての最新式の研修センターで、奥野氏は窓から叫び、架空の同僚に合図を送った。ホームのビデオ画面に、ドアに挟まれて身動きが取れなくなった乗客が映し出されたときも、彼女は冷静さを保っていた。
東京南西部にあるこの施設では、将来の車掌や運転士、その他の乗務員候補生に対して、JR東海が「徹底した教育」を提供している。
「ご利用ありがとうございました」と、奥野氏は腕時計で時刻を確認した後、深々と頭を下げて言った。
東京から富士山を越え、約5時間で博多までを結ぶ東海道新幹線には、毎日およそ25万人もの乗客が乗車する。
最高速度の「のぞみ」は5分に1本の間隔で到着する。
JR東海によると、地震や台風、大雪が頻繁に発生する日本においてさえ、新幹線での死傷事故は一度も発生していない。
同社の広報担当、熊島大輔氏はAFPに対し、「安全性は当社の最優先事項です」と語った。
そのため、「社員の教育と訓練には非常に真剣に取り組んでいる」と語った。
今月、同社JR東日本が運営する別の路線で、連結された2台の新幹線が切り離され、緊急停止したが、けが人は出なかった。
路線が全国に広がっているため、新幹線の最高速度は時速320キロ(200マイル)で、中国に追い抜かれて世界最速ではなくなった。
しかし、高速列車の流線型の先頭部分や広々とした車内は、日本の技術力と細部へのこだわりを象徴する存在であり続けている。
また、観光客には必見であり、ポップカルチャーの主役でもある。例えば、ブラッド・ピット主演の2022年の大ヒット作『Bullet Train』などだ。
綿密なメンテナンススケジュールにより、車内は外観も内装もピカピカに保たれている。清掃員がヘッドレストを調整し、ブラシを使って座席に食べこぼしがないようにしている。
「新幹線:弾丸列車から現代日本の象徴へ」の著者であるクリストファー・フッド氏は、一部の国では列車の遅延は身だしなみを整える余裕がないことを意味すると述べた。
しかし、新幹線ネットワークでは、平均遅延時間は1分未満である。
新幹線沿線の都市が数十年にわたって成長を遂げていることは、日本経済への影響を示している。「対面式のビジネスは非常に重要です」と、英国カーディフ大学の研究員であるフード氏は付け加えた。
フード氏によると、新幹線は、日本の地方における過疎化を加速させる役割も果たしており、多くの高齢者が孤立しているという。
「人々はむしろ大都市に住みたいと思っています。そして、必要であれば新幹線に乗って地方都市に住む親戚を訪れるのです」とAFP通信に語った。
JR東海のサイトでは、技術者が新幹線の内部機構を叩き、緩んだ部品を明らかにするような異常な音がないか注意深く耳を澄ませている。
高齢化が進む日本では労働力不足が深刻化しているため、同社は、列車の画像を分析して危険を察知できる新しいデジタル検査システムも研究している。
一方、JR東日本は、2030年代半ばから無人運転の新幹線の導入が可能になるだろうと述べている。
また、環境保護団体からの反対により長らく延期されていた、高速リニアモーターカーの路線建設という大規模プロジェクトも進行中である。
時速500キロで走る磁気浮上式鉄道は、2027年に東京と中部地方の名古屋間で運行開始の予定であったが、JR東海はこれを2034年以降に延期した。
その狙いは、需要に応えることと、メンテナンス作業や大地震の際にも運行を安定させるために、新幹線との「二重システム」を構築することであると、熊島氏は述べた。
日本では新幹線が当たり前になっているが、それは良いことだとフッド氏は言う。
しかし、日本人が海外、特にヨーロッパや米国を旅行すると、「新幹線はやはり特別だ」とすぐに気づくという。
AFP