東京:中国への帰国を間近に控えた2頭のパンダに感謝と別れを告げるため、土曜日に東京の動物園には、感謝の気持ちでいっぱいのファンが何千人も集まり、涙を流した。
来園者は、パンダをあしらったTシャツや帽子、日傘を身につけ、涙を流したり、セルフィーを撮ったり、東京の上野動物園での最後の2日間を過ごすリーリーとシンシンに手を振ったりした。
土曜日の朝、2,000人以上のパンダファンが動物園の外に長い列を作った。中には、ピクニック用のブランケットやキャンプ用の椅子を用意して徹夜で並んでいた人もいた。
中でも熱心だったのは、パンダの形をしたキーホルダーを持って前日の夜10時頃に到着したという住田真由子さん(44歳)だ。
「圧倒されてしまう」と、彼女は2頭を最後に眺めてから言った。
「私に安らぎと笑顔をもたらしてくれる最高のコンビだわ」
パンダは世界中で絶大な人気を誇り、中国はパンダを貸し出す「パンダ外交」プログラムの一環として、外国との関係を深めるために貸し出している。
2011年に上野動物園にやってきたリーリーとシンシンは、当初2026年2月までの予定で、しかし、19歳となった2頭の健康状態を考慮し、日本と中国は、2頭が母国に帰るのが望ましいという結論に達した。
2頭は日曜日に中国へ移送される予定である。
土曜日は、ガラス越しに2頭を愛でたり写真を撮ったりする時間をファンに数分間だけ与えた後、動物園で厳格な群衆整理措置が取られ、ファンを退場させた。
「リーリーとシンシンは私にとって太陽のような存在でした。いつも精神的な支えになってくれました」と、他のファンと同様に写真を撮る際に窓の反射光で画像が台無しにならないよう黒い服を着ていた関真知子さんはAFPに語った。
「2匹の笑顔を見ると、どんな悩みも吹き飛んでしまう。2匹には感謝してもしきれない」と涙を流しながら語る50代の女性。
2匹は2017年にジャイアントパンダの赤ちゃん「香香(シャンシャン)」を出産した。香香は1988年以来のパンダとして大きな注目を集め、2021年には双子を出産した。
昨年、香香が中国に帰国する際には、多くのファンが涙を流し、その様子は地元のテレビ局で生中継された。
的場美智代さん(61)は、ほぼ毎週のように香香の両親に会いに来ていた。
「リーリーは木登りが大好きなので、中国の山々で思う存分楽しんでほしい。そして、大食漢のシンシンは、健康を取り戻して思う存分食べられるようになってほしい」と彼女は語った。
パンダ外交にもかかわらず、近年は北京の海洋進出の強硬姿勢により、両国の関係は悪化している。
しかし、政治が動物の愛情を損なうことはないと的場さんは言う。
「パンダと同じように、日本と中国が仲良くなれることを願っている」と彼女は語った。
環境保護団体WWFによると、野生のジャイアントパンダは、主に中国の山岳地帯の竹林に生息しており、その数は1,860頭と推定されている。
パンダセンター、動物園、野生動物公園など、世界中の飼育下では約600頭が飼育されている。
AFP