東京:日本サッカー協会の宮本恒靖会長は、AFPの取材に対し、国内の女子サッカーを活性化させ、欧米との差を縮めるため、2031年の女子ワールドカップ開催を希望していると語った。
2011年に日本が優勝したが、その後は欧州勢に追い抜かれ、近年は欧州で女子サッカーが盛んになっている。
「私たちは、この国で女子サッカーの価値を高めたいと思っています」と、日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長は、東京にあるJFA本部で、ワールドカップ優勝チームの巨大写真の前でインタビューに答えた。
宮本氏は、2002年に日本と韓国が共催したワールドカップで男子日本代表チームのキャプテンを務め、この大会がきっかけとなって、日本国民の間でサッカーへの関心が大きく高まった。
現在47歳の宮本氏は今年、JFAの会長に就任し、2031年の女子ワールドカップにも同様の期待を寄せている。日本ではこれまで同大会が開催されたことはない。
しかし、アメリカとメキシコの共同開催が予想される中、日本も開催権を巡って厳しい競争に直面する可能性が高い。また、英国と中国も開催に興味を示していると伝えられている。
「WEリーグがあるが、観客を集めるのに苦労している」と宮本氏は言う。
「私たちは、この国で女性選手の数を増やしたいと考えています」と宮本氏は語った。
2021年に発足した女子プロリーグWEリーグだが、欧米の女子リーグが享受しているような観客動員数や収益を獲得するには至っていない。
2015年の決勝でアメリカに敗れて以来、日本の女子代表チームはワールドカップでベスト8の成績を超えていない。
宮本氏は、2011年の優勝をきっかけに女子サッカーへの関心が急速に高まったものの、その後急速に失速したことを受け、日本は「もっとうまくやれたはず」と語る。
元ディフェンダーの宮本氏は、オーストリアのレッドブル・ザルツブルクでの在籍期間が「私に多くのインスピレーションを与えてくれた」と語り、日本全体でより情熱的なサッカー文化を育むことを望んでいる。
「彼らには独自の文化があり、日常生活にサッカーがある」
「日本では、そのようなコミュニティはまだ形成されていない。サッカーを日本の文化にしたい」と彼は語った。
宮本は、2002年と2006年のワールドカップでキャプテンを務め、代表として71試合に出場した。
彼は、日本代表選手のほとんどがヨーロッパのクラブチームでプレーしていた時代に、そのキャリアの大半を国内のJリーグで過ごした。
現在ではヨーロッパのあらゆるチームに日本人選手が所属しており、その結果、日本代表チームはワールドカップのノックアウトラウンドに定期的に出場するようになった。
「彼らがチャンピオンズリーグでプレーするのはごく普通のことだ」と、宮本氏は現在の選手世代について語った。
「ドイツやスペインのような強豪チームと対戦するときでも、彼らには恐れがない」
ヨーロッパに次々と選手が渡ることは、日本代表チームにとってプラスになっているが、Jリーグのクラブにとっては問題となっている。
宮本氏は、才能ある選手を輩出し続ける必要があると主張するが、「南米の選手と比べると、日本人選手の移籍金は安い」とも主張する。
ブライトンは2021年に、ウィンガーの三戸瑠が250万ポンドで移籍した。一方、ゴールを量産するFWの古橋亨梧は、同じ年に450万ポンドでセルティックに移籍した。
「ヨーロッパのクラブは非常に強いが、日本のクラブはそれほど強くない」と宮本氏は言う。
「契約期間が残り6カ月しかない選手が、公式戦でプレーしている。シーズン終了後は、選手はどこへでも自由に行ける。そうなると、クラブは金銭を得ることができない」
宮本氏は、日本のサッカー界に新しい考え方を持ち込みたいと考えている。
FIFAマスタースポーツエグゼクティブプログラムの修了生であり、Jリーグのガンバ大阪でコーチを務めた経験もある。
ワールドカップに出場した経験を持つ初のJFA会長であり、戦後では最年少の会長である。
「元選手、特に高いレベルでプレーした選手は、サッカー界の仕組みをよく知っています」と宮本氏は言う。
「47歳は人間としては決して若くありません。国の組織のリーダーという意味では、47歳は若いかもしれません」
「新しい世代がこの世界に新しい何かをもたらすことができるかもしれません」
AFP