
ジェッダ:水曜日の準決勝でクリスティアーノ・ロナウド率いるアル・ナスルのAFCチャンピオンズリーグ・エリートの夢に終止符を打った川崎フロンターレのフルバック、サイ・ファン・ウェルメスケルケンは、今また新たな逆転劇を目論んでいる。
ACLエリートの初優勝は土曜日、ジェッダのキング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアムで行なわれるアル・アハリとの決勝戦で決まる。
アル・アハリが優勝候補ではあるが、ファン・ウェルメスケルケンはトロフィーを日本に持ち帰る決意を語っている。
ファン・ウェルメスケルケンはアラブニュースの独占インタビューにこう答えた: 「決勝は特別な試合になるだろう」
「アル・アハリは本当にタフな相手だが、準決勝でやったことを考えれば、チームとしてプレーできれば、この大会で優勝するチャンスは大いにある」と語った。
オランダ人の父と日本人の母を持つファン・ヴェルメスケルケンは、昨夏エールディビジのNECナイメヘンを退団し、川崎フロンターレに移籍した。
スタジアムはヨーロッパのスタジアムに比べ、敵対的な雰囲気が少ないため、ファン・ウェルメスケルケンはジェッダの観客の前でプレーすることに喜びを感じている。
彼は言った: 「アル・ヒラルが光州と対戦したとき(準々決勝第1戦)、僕たちはスタジアムのそばでトレーニングをしていて、その爆音を耳にしたんだ。決勝戦は大音量になりそうだ』って思ったんだ。
「ヨーロッパでは、アヤックス、PSV、フェイエノールトとのビッグゲームなど、信じられないような雰囲気の中でプレーしてきた。いいプレーをして、ホームのファンからブーイングを受けると、すごくモチベーションに影響する」
「普段の日本の雰囲気とは違うから、チームメイトにとってはいい勉強になった。スタジアムの5パーセントが僕らのサポーターで、95パーセントが敵だったと思う」
「アル・アハリ戦も同じような雰囲気になることは分かっている。でも、準決勝を勝ち抜いたのだから、決勝では精神的にもっと楽になると思う」
ファン・ヴェルメスケルケンは、サウジアラビアで行なわれたACLエリート・ファイナルでは、相手の質の高さに気後れすることはなかったと主張する。準々決勝のアル・サッド戦ではAFC年間最優秀選手のアクラム・アフィフを足かせにし、ベスト4のアル・ナスル戦ではクリスティアーノ・ロナウドを寄せ付けず、サディオ・マネをマークして3-2の勝利を収めた。
伊藤達哉、小関裕斗、そして38歳の川崎のベテラン、家長昭博のゴールが、長谷部茂利のチームに勝利をもたらした。
ファン・ヴェルメスケルケンは 「準決勝を終えて感慨深いものがあった。本当に楽しかったし、僕のキャリアの中でも最も楽しい試合のひとつだった」
「サッカーをやっていれば、ロナウドのような歴史に名を刻んだ選手はもちろん、常に対戦したい選手だ。ロナウドやマネのことは尊敬しているし、彼らを止める自信もある」という。
ガレノとリヤド・マフレズというアル・アハリの双子のウイングと対戦するため、フルバックは決勝でも最高のパフォーマンスを見せなければならない。ガレノは1月にFCポルトから移籍してきて以来、ACLエリート6試合で3ゴール3アシストを記録している。
ファン・ヴェルメスケルケンは「マフレズはもちろん素晴らしい選手だ。PECズヴォレでの古いチームメイト、ウサマ・ダルファルーはアルジェリア代表でマフレズと一緒にプレーしていた」
「もちろん、彼の実力は知っている。マフレズは土壇場でやりたいことを変えることができる。彼は難しい状況でも解決策を見つけることができる。僕はドリブルをし続ける選手と対戦する方が好きだけど、マフレズはクリエイティブで、どこからともなく場面を作り出すことができる」
マフレズとチームメイトのロベルト・フィルミーノは、アル・アハリが土曜日に勝てば、UEFAとAFCチャンピオンズリーグのタイトルを獲得した最初の選手となる可能性があるが、ファン・ヴェルメスケルケンには別の考えがある。
川崎フロンターレは決勝戦では劣勢に立たされるだろうが、アル・アハリがホストとして感じているプレッシャーはマティアス・ヤイスレ監督に重くのしかかる可能性があると、この日本人DFは主張している。
彼は言った: 「アル・ナスル戦でもそうだったように、僕らにはまだ挑戦者の気持ちがある。アル・アハリがどう感じているかはわからないが、もちろんサポーターからのプレッシャーや期待は避けられない」
「アル・アハリはアル・ヒラル戦で本当にタフな試合をした。川崎フロンターレにとっては、歴史に残るチャンスである」
「クラブは他のすべてを勝ち取ってきた。このトロフィーを持ち帰ることは、私が加入したときから選手とコーチが話してきたことだ。私たちはそれができると信じている」