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トランプ、関税、米と日本の厄介な問題

2025年7月9日、東京の米穀店で、米袋が積み上げられる中、作業するスタッフ。(AFP)
2025年7月9日、東京の米穀店で、米袋が積み上げられる中、作業するスタッフ。(AFP)
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10 Jul 2025 02:07:48 GMT9
10 Jul 2025 02:07:48 GMT9

東京:ドナルド・トランプ大統領は、日本が米国産米をもっと輸入するよう主張しており、就任1年足らずで首相の座を沈めかねない選挙を前に、石破茂首相の問題に拍車をかけている。

日本は今週、アメリカ大統領から、ワシントンとの貿易協定が破綻する8月1日からの「相互」関税を警告する書簡を受け取った20カ国以上のひとつである。

日本に対する一律25%の課税は、すでに課されている自動車、鉄鋼、アルミニウムに対する同様の課税とは別のものだ。

トランプ大統領は、日本企業にアメリカ国内での生産を増やさせ、東京がアメリカ製品(特にガス 、石油、自動車、米)をもっと購入することで、アジアの大国との700億ドルの貿易赤字を減らそうとしている。

「私は日本をとても尊敬している。彼らは我々の米を買おうとしないが、米は大量に不足している」と、トランプは6月30日のトゥルース・ソーシャルで語った。

とはいえ、米は両国間のビジネスという壮大な計画の中では些細なものだ。

BMIフィッチ・ソリューションズによれば、米の対日輸出に占める割合はわずか0.37%であり、倍増しても貿易全体への影響は「ごくわずか」だという。

BMIは、「(トランプ政権は)アメリカの貿易赤字を大幅に縮小させることよりも、取引することの見栄えを重視しているようだ」と述べた。

日本にとっては、経済的な影響だけを考えれば、輸入を倍増させることは飲み込めるだろう。

そのような譲歩によって、トランプ大統領が日本の自動車に課している不利な25%の関税を引き下げたり、撤廃したりすることができるのであれば、その価値は十分にあるだろう。

しかし、10月の衆議院選挙で連立与党が惨敗した石破氏にとって、米をめぐる政治は危うい。

7月20日に行われる参議院選挙でも同じような惨敗を喫する可能性があり、石破氏は長い間支配的でありながら好かれていない自民党の党首に就任してから10ヶ月で辞任することになるかもしれない。

米は日本文化の中で重要な位置を占めており、侍は米で給料をもらっていたと言われている。

現在、消費される米のほとんどすべてが国産であるにもかかわらず、輸入に頼ることは、人口1億2400万人の日本にとって屈辱であり、危険であると多くの人が考えるだろう。

「文化的にも、歴史的にも、日本人は米がすべてです」と、120年の歴史を持つ東京の米問屋「住田屋」の4代目、片山真一氏はAFPに語った。

「個人的には、日本の消費者に新たな選択肢が増えることは歓迎したい。しかし、食料安全保障の観点からは、この動き(外国産米の大量導入)は時期尚早だとも感じている」

「米の輸入に頼るようになれば、何かあったときにまた不足に直面するかもしれない」

日本はすでにアメリカから米を輸入しているが、多くの消費者は、外国産の長粒種は品質が怪しく、国産の短粒米のような粘りがないと見ている。

1993年に日本が冷夏に見舞われ、タイから長粒種を大量に輸入しなければならなかったときの嫌な記憶が残っている。

アメリカ米は「ひどい味だ。粘りがない」と、聴覚障害を持つ子どもたちの家庭を支援する松本末男さん(69)は言う。

「日本に輸出したいのなら、努力しなければならない。消費者の嗜好を考えなければならない」と東京でAFPに語った。

その結果、石破茂政権はこの問題では屈しないと苦渋の表情を浮かべている–選挙が終われば変わるかもしれないが。

林芳正官房長官は最近、「今後の交渉で農業を犠牲にするつもりはない」と述べた。

SPIアセットマネジメントのスティーブン・イネス氏は、「石破氏は、米農家のような国内の強力なロビーを刺激することを警戒しながら、積極的な貿易の動きを政治的に危うくするような支持率と折り合いをつけながら、狭い板を歩いている」と語った。

最近の米価の高騰について、政府はすでに非難の的となっている。

その要因としては、2023年の猛暑、2024年に迫った「巨大地震」の警告後のパニック買い、一部の業者による買い占め疑惑、米を欲しがる観光客の急増などが挙げられる。

痛みを和らげるため、東京都は緊急備蓄米を活用し、輸入はカリフォルニア産米を筆頭に急増しているが、それでも国内生産に比べれば微々たるものだ。

「これらの米価の問題は、自民党の農業政策が失敗したことを示している」と、定年退職した若狭康成さん(77)はAFPに語った。

AFP

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