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「柔道セラピー」:治癒効果のある武術

17 Jul 2020
大阪の常翔学園高等学校での講習会で組み合う、柔道をしている学生(2020年2月25日撮影)。そこには、日本の武道用品メーカー、九櫻のベテラン販売員、オオヒラカズノリさん(撮影されていない)が、「柔道着」として知られる柔道のユニフォーム販売のフォローアップに自ら出向く。柔道着は世界中で作られているが、国際柔道連盟によって指定されている供給業者はほんの一握りで、それらのうち一社だけが独自の生地を作っている。(AFP)
大阪の常翔学園高等学校での講習会で組み合う、柔道をしている学生(2020年2月25日撮影)。そこには、日本の武道用品メーカー、九櫻のベテラン販売員、オオヒラカズノリさん(撮影されていない)が、「柔道着」として知られる柔道のユニフォーム販売のフォローアップに自ら出向く。柔道着は世界中で作られているが、国際柔道連盟によって指定されている供給業者はほんの一握りで、それらのうち一社だけが独自の生地を作っている。(AFP)
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Updated 17 Jul 2020
17 Jul 2020

東京:柔道は、その強烈な投げ技や電光石火の組み手で知られているが、このスポーツには、あまり知られてはいないが日本で人気の応用法がある。「柔道セラピー」という古来の療法だ。

数十年にわたる歴史の中で、柔道は二つの分野に分かれた。「殺法」もしくは「殺しの方法」は五輪競技に発展し、「活法」もしくは「意識回復法」は「柔道セラピー」という療法になった。

柔道家は、相手を倒すために関節や手足、筋肉の動き方に関する知識を使うが、「活法」では、セラピストは、手術や病院での治療を必要としないけがを治療するために、体の自然治癒のメカニズムを早めようとする。

「簡単に言えば、私たちは骨折、脱臼、打撲、捻挫などの専門家です」と日本柔道整復師会の三橋裕之理事は話した。

「整形外科のように手術をするのではなく、手を使って治します」と同氏はAFPに話した。

免許を持つ7万3000人以上の柔道セラピストが、日本中の5万箇所以上の診療所で働いている。彼らは皆、資格を得て臨床現場に出る前に、ある程度柔道の経験があることが求められる。

彼らは、学生アスリートや、普通の医師であればすでに治ったとみなすであろう、古傷の持続性の痛みに苦しむ人たちに特に人気がある。

 旅行代理店に勤めるタカハシヨシエさん(59)は1月初めに右手首を骨折した。彼女は病院に行ったが、後のX線検査で、彼女が受けた治療では骨が適切に配置されなかったことが分かった。

彼女は、彼女を担当していた専門家を見限り、三橋氏を選んだ。同氏は柔道セラピーの技術を使い、関節を徒手整復し、骨を正確に再配置する。

タカハシさんは三橋氏の診療所を訪れ、超音波が出ている温水のおけに手首を浸す、治癒を促進すると言われる治療法を含むさまざまな治療を受けた後、「ここの方がずっと快適です。痛みは前より減りました」と話した。

「(柔道セラピストは)より患者中心だと思います。彼らは十分な教育を受けており、理解するまで物事を十分に説明してくれます」と彼女は話した。

柔道セラピストは、けがの治療だけでなく、人口の28%以上が65歳以上という日本の超高齢社会において、高齢化する日本人を健康に保つ際に、自分を生かせる場所も見つけている。

多くの柔道セラピストは、武術から発想を得た、無理のない運動の教室を定期的に開催している。それにより、年金生活者は元気になり、通常より転倒しにくくなっている。

今年、そのような夕方に開催していたある教室で、柔道セラピストのカスヤタイスケさんは、東京にある公民館にある畳敷きの小部屋で、5人の高齢の生徒の能力を試した。

カスヤさんは、太極拳という中国の習慣に似た呼吸法を使い、ゆっくりとした動きを伴う低強度の運動を修正したものを30年ほど教えてきた。

だが、元々の体操を考案したのは、他ならぬ現代柔道の父として崇敬されてきた嘉納治五郎だった。

「体を効率よく使いなさい。そうすれば新陳代謝が促進され、精神状態が安定します」と、嘉納の教えを声に出しながら柔道黒帯のカスヤさんは話した。

「他の運動とは異なり、私たちは体と心の両方に働き掛けるという原理を利用します」と彼は話した。

柔道をベースにしたこの運動により、15年間カスヤさんの運動の教室に通っている、70代の元薬剤師、池泉康江さんの慢性的な痛みは和らいだ。

「これは他の運動とは違う感じがします。関節が柔らかくなってきた気がします」と彼女は話した。

「60代でそのような痛みを感じていました。ですが、私は今80近くで、健康を維持することができています。自分の体を回復できているようなものです」と彼女は話した。

和歌山県西部で柔道を教えている武道家、腹巻宏一さんは、柔道をベースにした運動は、多くの高齢者がバランス感覚を養い、転倒を防ぐのに役立つと話す。

彼は地元の高齢者を対象に、自分の「道場」や武道訓練センターで、転び方に関する講習を毎週行っている。

「それの最終的な目的は、高齢者がその動きを習得することではありません。マットの上を転がり、動きを練習することで、彼らは半規管(平衡感覚をつかさどる内耳の一部分)を使い、小脳を刺激します」と彼はAFPに語った。

「転び方を練習すれば、最終的に転ばなくなります。バランスがよくなります」

AFP

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