
アラブニュース・ジャパン
コロナウィルスが世界中で大勢の人々を苦しめ続けている中、論文審査のある定期刊行物JAMA Cardiologyで発表されたドイツの2つの研究による新たな証拠が、COVID-19から回復した人々が初期診断後数ヶ月も消えない心障害と心炎症を抱える可能性があることを示唆している。
ドイツで行われた最初の研究には、最近COVID-19から回復した45~53才の成人100人が関わった。参加者の約3分の1が入院を求められ、残りは自宅で回復した。
研究者は人口動態的な特徴、心血流マーカー、および心血管磁気共鳴画像を入手し、それらを健康な被験者に対する調査結果と比較した。
この研究は、最近COVID-19から回復した患者のうち78人(78%)に心臓の異常が認められ、60人(60%)が心筋に継続的な炎症を起こしていることを明らかにした。
さらにこの研究は、最近COVID-19から回復した患者のうち71人(71%)で、心臓が傷ついた後に放出されるタンパク質である高感度トロポニンのレベルが上昇していることを見つけた。5人(5%)の患者については、そのレベルが大幅に上昇していた。
レベルの上昇が大きかったのは回復した患者のうち限られた割合に過ぎず、血液中のこのタンパク質の存在と軽度の心炎症は医学的な介入なしに治癒することが可能なものの、これらの発見の長期的な結果についてはまだ明確になっていない。
最終的に、この研究はCOVID-19が心臓血管に対して長期的に与える結果を継続的に調査する必要性を強調する。
同様にドイツで実施された別の研究には、COVID-19で死亡した78~89才の成人39人の検死所見が含まれる。この研究は、患者のうち24人(61%)の心臓組織でCOVID-19を引き起こすウィルスであるSARS-CoV-2が存在する証拠を発見し、COVID-19で亡くなった患者の検死例において心筋への感染が起こっていることを示した。
この2つの研究は、COVID-19パンデミックが心不全の増加につながる可能性があるという明らかな懸念を共同で提起し、COVID-19が心臓血管に対して長期的に与える結果を詳しく評価する継続的な調査の必要性を強調している。