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日本の大坂なおみ選手が全米オープンで人種的不平等の犠牲者に敬意を表す

テニスの大坂なおみ選手は、全米オープン期間中、アマード・アーベリーさん、ブリオナ・テイラーさん、イライジャ・マクレーンさん、ジョージ・フロイドさん、トレイボン・マーティンさんの名前を目立つように入れたマスクを着用し、米国における人種的不平等をより多くの観客に訴えた。  (AFP通信)
テニスの大坂なおみ選手は、全米オープン期間中、アマード・アーベリーさん、ブリオナ・テイラーさん、イライジャ・マクレーンさん、ジョージ・フロイドさん、トレイボン・マーティンさんの名前を目立つように入れたマスクを着用し、米国における人種的不平等をより多くの観客に訴えた。 (AFP通信)
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12 Sep 2020 06:09:37 GMT9
12 Sep 2020 06:09:37 GMT9

Carla Chahrour

日本のテニスプレイヤー、大坂なおみ選手は今年の全米オープンの試合で、毎回異なるマスクを着用している。米国の人種的不平等に対し、より多くの観客の注目を集めるため、それぞれのマスクに黒人犠牲者の名前を記している。

警察の暴力による犠牲者とされる人々の遺族は、大坂選手が犠牲者の名前が記されたマスクを着用したことにメッセージ動画で感謝した。メッセージ動画は、アメリカの多国籍ケーブルスポーツチャンネルESPNの撮影現場で大坂選手のために再生された。 

大坂選手は記者会見で「泣かないように必死になっていました」と語った。

「ちょっと現実ではない感じがします。私がやっていることに感動してもらえるなんて、とても胸が熱くなりました。 私にとっては、自分がやってきたことは何でもないことのような気がします。 私ができることのほんの一部でしかありません」と大坂選手は付け加えた。

日本のテニス界のスターは、大会が始まった時にこの問題に光を当てることを誓っていたが、準決勝でそれを続けている。大坂選手はすでに、ブリオナ・テイラーさん、イライジャ・マクレーンさん、アマード・アーベリーさん、トレイボン・マーティンさん、ジョージ・フロイドさんの名前を記したマスクを着用している。

大坂選手は、ブリオナ・テイラーさん、イライジャ・マクレーンさん、アマード・アーベリーさん、トレイボン・マーティンさん、ジョージ・フロイドさんの名前を記したマスクを着用している。これらの名前は、警察の手によって、あるいは人種差別が動機とされる白人による暴力によって死亡した黒人たちの名前だ。

ブリオナ・テイラーさん

救急救命士のテイラーさん(26)は3月13日、ケンタッキー州ルイビルの自宅アパートで警察官に射殺された。

13日の真夜中過ぎに、警察官のブレット・ハンキソン、ジョナソン・マッティングリー、マイルス・コスグローブは、警察が住人の許可なしに家に入ることを許可する裁判所の文書「無断家宅捜索令状」を執行してテイラーさんのアパートに突入した。

テイラーさんとパートナーのケネス・ウォーカー氏は、騒ぎが始まった時に眠っていたと伝えられている。しかし、警察がドアを破壊したことが、警察による銃の一斉砲火につながる一連の出来事の引き金になった。この銃撃でテイラーさんは致命傷を負った。

6月には、関与した警察官の1人であるブレット・ハンキソンがルイビル警察を解雇され、テイラーさんのアパートに10発の弾丸を「無分別に」発泡したとして起訴された。

他の2人の警察官は管理上の配置転換となったが、3人はいずれも刑事告訴されていない。このことにより、事件を知った人々は正義を求め、この夏の世界的なブラック・ライヴズ・マター運動の中で、テイラーさんの名前と「ブリオナ・テイラーを殺した警察官を逮捕せよ」という呼びかけが正義のための掛け声になった。

ブリオナ・テイラーさん(26歳)は救急救命士だった。(Facebook)

イライジャ・マクレーンさん

マクレーンさん(23)はコロラド州オーロラで警察官にチョークホールドで拘束された後、死亡した。警察によるチョークホールドは2019年8月24日から禁止されている。

「不審者」に関する緊急通報があった時、マクレーンさんは武器を持たずに歩いていた。

警察が到着し、武器を探してマクレーンさんを調べた際にもみ合いになり、手錠をかけた後、警察はマクレーンさんを地面に押し付け、頸動脈(けいどうみゃく)を圧迫するように拘束した。頸動脈を通り脳へ向かう血流を制限して意識を失わせるチョークホールドの一種が用いられた。

警察官が応援を求め、駆けつけた救急隊員がマクレーンさんに鎮静剤のケタミンを過剰に投与し、マクレーンさんを意識不明のままにした。報告によると、マクレーンさんは、病院に向かう途中で心停止状態に陥ったという。

マクレーンさんは8月27日に病院で死亡が確認された。

マクレーンさんの遺族は先月、オーロラ市と警察を訴えた。殺人と黒人に対する日常的な力の過剰な行使を主張している。ロイター通信によると、その後、マクレーンさんを拘束した警察官を含む3人のオーロラ市警察の警察官が解雇され、1人は7月に辞職した。マクレーンさんが死亡した事件現場の近くで、この警察官たちがチョークホールドを再現した写真を撮って共有しているのを当局が発見していた。

イライジャ・マクレーンさん(23)は、コロラド州オーロラで警察官による暴力を受けて死亡した。

アマード・アーベリーさん

2020年2月23日、アーベリーさん(25)は、ジョージア州ブランズウィックの郊外の住宅街をジョギング中に、武装した白人男性2人(父と息子)との口論中に銃で撃たれて死亡した。

2020年5月5日には、車でアーベリーさんの後ろを走行していたウィリアム・ブライアンが撮影した36秒の動画がネット上に流出した。

トラヴィス・マクマイケル、息子のグレッグ・マクマイケル、ウィリアム・ブライアンの3人の白人男性は、アーベリーさんが殺害されてから2か月以上が経過するまで、アーベリーさんの殺害容疑で起訴されなかった。ロイター通信によると、州警察が捜査を開始したのは、銃撃の動画がインターネットで拡散した後だったという。

「私の家族を支えてくれたことに感謝しています。あなたの行動と、あなたが私の息子のことで私たち家族を支援してくれていることに、神の恵みがありますように。 私の家族は本当に感謝しています。神の恵みがありますように」と、アーベリーさんの父親であるマーカス・アーベリー・シニアさんは、ESPNで放送された大坂選手へのメッセージ動画の中で語った。

アマード・アーベリーさん(25)は、ジョージア州ブランズウィックでジョギング中に武装した白人男性2人に射殺された。(Facebook/ahmaudarberyjustice)

トレイボン・マーティンさん

マーティンさん(17)は、フロリダ州サンフォードでスキットルズとソフトドリンクを買うために行ったセブン-イレブンから歩いて帰る途中、近隣見回りボランティアのジョージ・ジマーマンに銃撃されて致命傷を負った。2012年のマーティンさんの殺害は、ブラック・ライヴズ・マター運動の火付け役となった。

銃撃に先立ち、ジマーマンは近所に「不審者」がいるという緊急通報を行っている。ジマーマンは、SUVから降りたり、その人に近づいたりしないよう指示を受けていた。ジマーマンはその指示を無視し、しばらくして近隣から銃声が聞こえたという通報があった。

ジマーマンはマーティンさんを撃ったことを認めたが、マーティンさんに暴行されたため、正当防衛だったと主張した。しかしマーティンさんは武器を所持していなかった。フロリダ州の警察は、銃撃から6週間経つまでジマーマンを逮捕しなかった。これは、米国の銃に関する法律が、銃器を所持している者が危険な状態になれば発砲することを認めているからだ。

「あつらえたマスクでトレイボン・マーティンを表してくれた大坂なおみさんに感謝の意を表します。加えてアマード・アーベリーさん、ブリオナ・テイラーさんに関しても感謝しています」

マーティンさんの母親であるシブリナ・フルトンさんは、ESPNで放送された大坂選手へのビデオメッセージの中でこう語った。

「心の底から感謝しています。これからも頑張ってください」とフルトンさんは付け加えた。

トレイボン・マーティンさん(17)は、フロリダ州サンフォードで近隣見回りボランティアのジョージ・ジマーマンに銃撃された。(Facebook)

ジョージ・フロイドさん

フロイドさん(46)は、ミネソタ州ミネアポリスで殺害された。ミネアポリス市警の警察官デレク・ショーヴィンがフロイドさんを逮捕する際、フロイドさんの首を、9分近く膝で押さえつけて殺害した。

ネット上で広く共有された防犯カメラの映像、目撃者により撮影された動画、公式文書などによると、白人警官のデレク・ショーヴィンは、数分間、フロイドさんの首を膝で押さえつけていた。動画の中で、フロイドさんが何度も警察官に「息ができない」と訴え、やめるように懇願するのが聞こえる。

フロイドさんはその後、病院で死亡が確認された。

フロイドさんの殺害は、米国での人種的不平等や警察による暴力に対する大規模な抗議行動を再燃させ、国際的な広がりを見せた。

フロイドさんの逮捕に関与した4人の警察官、ショーヴィン、トーマス・レーン、J.アレクサンダー・クエン、トウ・タオは翌日に解雇され、後にフロイドさんの殺害について起訴された。

ジョージ・フロイドさん(46)は、ミネソタ州ミネアポリスで、ミネアポリスの警察官がフロイドさんを逮捕する際、警察官に9分近く首を膝で押さえつけられて殺害された。

9月8日に放送された、トレイボン・マーティンさんとアマード・アーベリーさんの両親からの事前録画メッセージに対して、全米オープンのラウンドを勝ち抜いてきた大坂選手は、「とてもありがたいです」と述べ、「彼らはとても強いです。自分が彼らの立場になったら何ができるかわかりません。今の自分は、問題意識を広めるための役割を担っている気がします。痛みを和らげることはできませんが、彼らが必要としていることがあれば、何かお手伝いができればと思います」と付け加えた。

大坂選手はビデオメッセージの後、「感動して涙が出てきた」とツイートした。 
「撮影現場では我慢していたのですが、見返してみると涙が出てきました。ご両親の強さと人柄に感服しています。2人とも愛しています、ありがとうございました」  

日本でハイチ人の父と日本人の母の間に生まれた大坂選手が社会正義を唱えたのは今回が初めてではない。8月には、2020年8月23日にウィスコンシン州で起きたジェイコブ・ブレイクの銃乱射事件を受けて、女子テニス協会のウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝の試合を棄権することを自身のTwitterアカウントで発表した。

英語と日本語の両方で書かれた投稿では、「私はアスリートである前に黒人女性です。そして、黒人女性として、私がテニスをしているのを見てもらうよりも、早急に対応しなければならないもっと重要な問題が目の前にあるように感じています。 私がプレーしないことで何か劇的なことが起こるとは思っていませんが、白人が多数派のスポーツで話し合いを始めることができれば、それは正しい方向への一歩だと考えています。 警察の手で黒人の虐殺が続くのを見ていると、正直、吐き気がします」と言っている。

大坂選手の声明の後、ウエスタン・アンド・サザン・オープンの全試合のプレーを1日休止することが発表された。  そして、実際に同大会はプレーを1日休止した。

「スポーツとして、テニスは人種間の不平等や社会的不平等に立ち向かっている」と男子プロテニス協会は声明の中で述べている。

大坂選手は5月、アメリカの警察に拘束されていたフロイドさんが殺害された後、自らのソーシャルメディアに抗議の声を加えるようになった。フロイドさん死亡のニュース映像と「沈黙は今や裏切り行為」という声明の投稿に加え、「自分に起きていないということは、別の場所でも起きていないということを意味しません」とツイートし、自身が意見を表明できる場所を利用して、正義のために立ち上がることができることを示している。

グランドスラムで2度の優勝を果たしている大坂なおみ選手は、自身が意見を表明できる場所を利用して、小さくても重要な変化を促し、1つの声に込められた力を示すことで、正義のために立ち上がることができることの証明になっている。

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