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『パレスチナ + 100』:忘れることは、これらの未来の物語では罪である

04 Nov 2019
バーチャルリアリティから地球外からの訪問者に至るまで、12人の作者は、パレスチナの自由とはどのようになるのかを探し求めている。(提供)
バーチャルリアリティから地球外からの訪問者に至るまで、12人の作者は、パレスチナの自由とはどのようになるのかを探し求めている。(提供)
Updated 04 Nov 2019
04 Nov 2019

マナル・シャキール

シカゴ:Basma Ghalayini編集の「パレスチナ + 100:ナクバから100年後の物語」は2048年が舞台となっている。12人の作者がそれぞれの視点で見たパレスチナを描いた作品で、ラマラの斜面でバナナが育ち、サマリアではパイナップルが豊富に実り、そこではバーチャルリアリティがすさんだ生活に途切れなく重なり合っている。 

パレスチナ難民は「記憶の風景を旅する遊牧民のようだ」とGhalayiniは前書きに書いている。1948年、ナクバでは多数のパレスチナの村々や都市が破壊され、70万人以上のパレスチナ人がその地から追い出された。2003年の時点で、960万人の子孫がパレスチナの外に住んでいると推定される。そのため、パレスチナ人にとって「書くことは失われた継承物の探索であり、その損失の記憶を消してしまわないための試みでもあるのです」とGhalayiniが書くのは、物語を語ることが保存のツールであるということの強い現れである。 

バーチャルリアリティから地球外からの訪問者に至るまで、12人の作者は、パレスチナの自由とはどのようになるのか、もしくは、少なくともデジタルイノベーションの頂点での自由の幻想を探求している。Salem Haddad、Majd Kayal、Emad El-Din Aysha、Abdalmuti Maqboolは技術と社会の境界を押し広げたパラレルワールドを生み出した。そこでは歴史は変えられ、政府は仮想空間で作られ、過去は別の物語を通して生き返ることができるが、犠牲を払う必要がある。

Mazen Maaroufはスーパーヒーローを登場させ、Selma Dabbaghは仕事のために自分の腎臓を売らなければならない絶望的な女性について語る。Anwar Hamedの幽霊とTasnim Abutabikhの誤認した敵の物語の間で、各作者は自由という考えを覆し、そういった考えそのものに疑問を投げかけている。Rawan Yaghiは、酸素が不足し、鎮静剤が引っ張りだことなった荒涼が背景の物語を、Samir El-Youssefは歴史の研究が禁止されている物語を書いた。Ahmed Masoudは国際競争を開催する可能性を探る話を書き進め、Talal Abu Shawishは外部からの脅威にさらされコミュニティが団結を強いられる話を書いた。

作者たちは40年以上にわたる視点をもち、60代の最年長の作者もいれば最年少は20代である。パレスチナに住んだ経験のあるものもいれば、両親や祖父母の思い出を通してパレスチナに住んだものもいる。Samir El-Youssefが自身の短編小説で書いているように、「このような国において、忘れることは罪なのです」

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