
アミーラ・アビッド リヤド
今年のサウジ・デザイン・ウィーク(リヤド・シーズンの一部)のテーマは「デザイン・ハピネス」で、現地の宝石職人は業務を通して同国の豊かな文化や遺産を披露し、伝える機会を得る。
サウジアラビアの観光ビザに関する新法は、同国の宝石職人にとって新しい市場を開くものだ。サウジ・デザイン・ウィークでの展示は国内市場の要求に応えるものでもあるが、観光客がユニークな土産物を探すことを宝石職人たちは知っている。
アーメッド・アル・アブドゥラティフ氏は、サウジアラビアの文化、自然、社会生活、宗教から着想を得たブランド、Razeenを手がける創造的精神の持ち主だ。彼は元築家だ。「私はずっと宝石を作ってきましたが、いまこそ愛を広げ、みなさまにも自分が信じているものに加わってもらいたいと思ったのです」と、デザイナーであり、熟練の建築家であるアル・アブドゥラティフ氏はアラブニュースに語った。「Razeenは、私がこれまで市場で見てきた隙間に位置する製品です。第一に、宝石やファッションという観点から言えば、男性はいつも忘れられた存在でした。第二に、私たちは常に、文化や宗教と関連しない製品を消費し、使用してきています」
アル・アブドゥラティフ氏は、Razeenでこのような現状を変えようとしている。たとえば彼のヤシの幹をかたどったカフスボタンは「家族と家族の生活を守る家族思いの男性」を意味する。
彼は問う。「私たちはいつもヤシの葉を褒めますが、葉を立てたり、持ち上げたりする人がいるでしょうか」
彼の作品には、自分の力を賢く利用する男を象徴する両刃の剣「サイフ」や、カーバ神殿の東の角に石を詰めた模型の「ハジル」などがある。
彼は、自身のブランドの将来の見通しについては頑固だ。「私には、Razeenがサウジアラビアのラグジュアリーブランドのトップ、そしてライフスタイル製品のトップになるのが見えます」と彼は言う。「現在は、指輪とカフスボタンだけを作っていますが、将来的には現代のサウジアラビア人が必要とするあらゆる種類のアクセサリーを作ります」
アル・アブドゥラティフ氏は、リヤド・シーズン期間にサウジ・デザイン・ウィークが開催されることは、Razeenのようなブランドにとって「すばらしいチャンス」であり、昨年のイベント時と比較して3倍近い人が来てくれていると思うと述べた。
訪問客の注目を集めている別の地元のブランドの一つに、27歳のラワン・アル・セリのムセ・ラワンがある。こ同国の地理学と考古学上の発見から着想を得ており、彼女はある作品でオハイン山を再現し、また別の作品では、ハーイルで発見され、同国で最も重要な考古学上の発見の一つとされる6,000年前の彫刻作品「苦しむ男」から着想を得た。
「私は祖国からのみ着想を得てデザインします。そしてそれを世界に見せるのです」と、以前はメディナにある予言者のモスクを拠点とするデザインの仕事をしていたアル・セリがアラブニュースに語った。
ラバア・アル・アンガリが自身のブランド、ヨウラで目指すのは、より個人的なものだ。「主となる発想は、精神的なストーリーを深い意味と融合させることです」と彼女はアラブニュースに語る。「私はカラフルな石と皮を使用して幸せを表現します。そして、すべてをつなぎ合わせるために金のチェーンを使用します」
「私は宝石の意義を理解して欲しいと思っています。宝石は単に身につけるだけのものではありません。宝石にはストーリーがあり、旋律があり、人と深くつながっているものなのです」と彼女は語る。「私が作った宝石からインスピレーションを得て欲しいと思うのです」