
東京:滅多にないチャンスだ。日本の大富豪が、民間人による個人的な月旅行に同行する8名を世界中から募集している。
衣料品のネット通販企業の創業と運営により大富豪となった前澤友作氏は、2018年、SpaceX社が開発中の月周回宇宙船に搭乗予約した最初の人物として報じられた。
【発表】2023年に予定している月旅行に8名様をご招待します。本日より応募受付開始します!みんなで楽しい旅行にしましょう🚀🌍🌕 #dearMoonhttps://t.co/xBtOyJMIUh
— 前澤友作 (@yousuck2020) March 2, 2021
早ければ2023年にも実現する月周回旅行に非公表の金額を支払った前澤氏は、以前、6名から8名のアーティストを同乗者として招待すると述べていた。
水曜日、前澤氏は自身のTwitterアカウントへのビデオ投稿で、より幅広い層から応募を受け付けることにしたと発表した。
「同乗者を募集します。8名。世界中から今回募集します」と、彼は言っている。
「チケットは全部買ってますし、貸切の船になりますので」と、前澤氏は付け加えた。
月旅行の目的やクルー8名募集の応募条件などについて動画で話してます。 #dearMoon
— 前澤友作 (@yousuck2020) March 2, 2021
↓本編はこちらhttps://t.co/fuwU4VzzeC pic.twitter.com/BYvXJJvzY6
45歳の前澤氏は、「何か、何かしらクリエイティブな活動をしている人、こういう人をすべてアーティストと言ったっていいんじゃないか」と考えるようになったため、当初のアーティストを招待するという計画が「進化」を遂げることになったと説明した。
日本の起業家である前澤氏は、2つの条件を満たしてさえいれば応募資格があると言った。第1にクリエイティブに「限界に挑戦」しようとしていること、そして、第2に同じ思いの他の同乗者を積極的にサポート出来ることである。
合計10人から12人が宇宙船に乗り込み、月を周回し地球に帰還することになると前澤氏は述べた。
この宇宙旅行への参加希望者は3月14日までに事前登録を行うよう求められており、3月21日までに第一次審査が終了するという応募・審査スケジュールが立てられている。
前澤氏のウェブサイトでは、上記以降、何らかの「課題」とオンラインでの面接を行うとされているが、その段階の締め切りは設定されていない。最終的な面談と健康診断は、現時点では、2021年5月に実施する予定となっている。
前澤氏と同乗者の一行は、SpaceX社がこの取り組みを実現出来れば、1972年に終了した米国のアポロ計画以来初の月周回旅行者となる。
先月、スターシップと呼ばれるSpaceX社の宇宙船の試作機が、試験飛行後、直立着陸を試みて失敗し爆発した。これは、昨年12月に1つ前の試作機が同様に着陸を失敗し爆発炎上した事に引き続き、2度目の期待外れの結果となった。
SpaceX社は、しかし、394フィート (120メートル) の再利用可能なロケットシステムが、やがて月や火星、そしてさらにその先まで乗組員と貨物を運ぶようになることを期待している。
「2023年までにスターシップでの軌道への自在な到達と、十分に安全な人員輸送が実現すると強く確信しています。非常に有望な状況です」と、SpaceX社創業者のイーロン・マスク氏は、前澤氏が水曜日に自身のTwitterアカウントに投稿したビデオの中で述べている。
このミッションは、地球軌道を越える最初の民間宇宙飛行となる見込みだとマスク氏は語った。
この計画では、月面には着陸せず、その裏面を通って周回することになるため、「これまで人類が地球から行ったことがないほどの遠方に到達することになると期待しています」と、マスク氏は付け加えた。
奇抜な発言や高価なアート作品を好むといった贅沢なライフスタイルで知られる前澤氏は、日本有数の資産家であり、昨年時点で合計約19億ドルの価値があると評価された資産を保有している。
前澤氏は、衣料品のネット通販ストアZOZOを創業して資産を築き、2019年には同社をYahoo! Japanに売却している。
以前には、前澤氏がオンライン広告でSpaceX社のフライトに同行する女性パートナーを募集したことが大々的に報じられ3万人近くの応募者を集めたが、この企ては急遽打ち切りとなった。
米宇宙機関NASAは、初の女性を含む宇宙飛行士たちの月面着陸を2024年に実現させようとしている。
月面着陸を予定している宇宙船アルテミス3号の飛行の目的の1つは合計85キログラム (187ポンド) の試料の月からの採取である。これは、1969年から1972年までのアポロ計画時の平均64キログラムの試料採取よりも多量となる。
AFP