• アルーラはほとんど無名のオアシス渓谷で、かつては香料の重要な交差点として繁栄し、3000年の長きに渡って続いた強大な文明の本拠地であった

アラブニュース

アルーラ：アルーラは、間違いなくサウジアラビアの観光戦略の中心的存在だ。この渓谷には古代の神秘的な雰囲気が残っている。

石造建築物の遺跡は、人間の強さと大胆さを物語っている。何世紀もの時を経ているにもかかわらず、これらの遺産は世界のどんな近代的な建造物にも匹敵するほど壮大だ。

サウジアラビア政府は王国内に点在する古代遺跡の保存に特別な対策を講じており、アルーラもその対象の1つだ。

ディスカバリーチャンネルはアルーラの重要性を強調するため、新たに単発のドキュメンタリー『古代アラブ世界の建築家』（The Architects of Ancient Arabia）を制作した。

数々の賞を受賞した俳優ジェレミー・アイアンズがナレーションを担当したこのドキュメンタリーはアラビア半島の深い過去に迫るもので、国際的に活躍するサウジアラビアの考古学者と地元の歴史家のチームがこれまで未開拓だった土地の新たな驚異を見せていく。

いくつもの最新技術を駆使して何万もの遺跡を記録した専門家たちはその中からいくつかを選んでさらに詳しく調査し、人類の文明の歴史に新たな1ページを刻もうとしている。

アルーラはほとんど無名のオアシス渓谷で、かつては香料の重要な交差点として繁栄し、3000年の長きに渡って続いた強大な文明の本拠地であった

この地域では現代史において最も重要な調査や発掘作業が行われている。

専門家チームはアルーラ周辺で発掘された古代の石造物にまつわる活動を解読しようとしている。

このドキュメンタリーでは考古学者たちが古代の儀式の証拠を発見するが、それはまったく予期しない驚くべきものだった。

ディスカバリーチャンネルはアルーラ王立委員会（RCU）と共同でこのドキュメンタリーを制作した。制作はパワーハウスプロダクションが担当している。

このドキュメンタリーのエグゼクティブ・プロデューサー兼編集者であるロバート・カーワンは次のように述べている。「アルーラで考古学チームと一緒に撮影した数週間は、私や他のスタッフにとって、人生を変えるような経験でした。驚くほど壮大な風景は、今まで見たこともないようなものでした。そこには文字通り何千もの石造物が点在し、何千年もの間、手つかずのまま放置されています」

「私たちは無名の古代人の亡霊たちの間を歩いていて、彼らの存在や、彼らが自分たちの物語が語られることを切望しているのを感じました」

このドキュメンタリーでは、複雑な社会の出現のタイムラインをリセットするような驚くべき新発見があった。不毛の砂漠の上に建てられた何千もの謎めく石造物は、人類の歴史の大きな転換点にアルーラが関わっていたことを示すミッシングリンクかもしれない。

これらの発見は世界中の考古学コミュニティから大きな関心を集めており、アラビア半島の重要性に関する現在の理解を変えるような査読付きの論文や記事といった形で、今後数ヶ月の間により詳細に解明されていくだろう。

RCUの考古学・文化遺産研究部門長のレベッカ・フットは次のように述べている。「ヘグラなどの主要な遺跡についてはすでに多くのことが明らかになっていますが、チームの研究とこのドキュメンタリーが、社会がより複雑に発展した先史時代後期について欠落した知識を埋めるきっかけになることを期待しています」

「考古学者たちはこの素晴らしい景観の砂漠に秘められた秘密と物語を明らかにし始めたばかりで、まだまだ発見すべきことがたくさんあります。私たちはこのドキュメンタリーを通して、私たちの仕事とこの場所を世界と共有できることに興奮しています」と彼女は付け加えている。

『古代アラブ世界の建築家』は3月31日午後9時からOSN（500チャンネル）で放送される。