
ペットとトークしているように触れ合えたら…。そんな動物好きの思いに応えようと、NECは30日、犬や猫と対話アプリLINEを使ってメッセージをやりとりできるサービスを8月に始めると発表した。人工知能(AI)が犬や猫の様子をメッセージに変換し、飼い主のスマートフォンに送る。料金体系などは今後詰める。
犬や猫の首輪に装着する小型センサーが収集した活動データをAIが文字情報に変換する仕組み。サービス開始に先立ち4月から、NECグループ内でLINEのトーク機能を活用した実証実験を100人規模で行う。
NECの担当者は「留守番中のワンちゃん、ネコちゃんの様子が分かる感動を皆さんに届けたい」と開発したきっかけを話す。今後5年間で、全国で飼われている犬や猫の3分の1に当たる600万匹以上の飼い主に利用してもらうのが目標。犬や猫の活動データを広く集められれば、メッセージへの変換精度も上がるという。
NECは、顧客情報管理システムの考えを応用し、ペットのデータを共有する情報システム「ワネコ」を構築。トーク機能は、ワネコ活用サービスの第1弾となる。
今後、ペットにかかわる企業・団体にワネコを広く利用してもらい、ペットサロン、動物病院、ペット関連企業などの間でデータを共有する基盤としていく方針。今後5年間の累計で500億円の事業に育てることを目指す。
例えば、ペットの病気にはトリマーが気付くことが多い。ペットサロンが察知した異変データを動物病院が共有できれば治療に役立ち、予防医療を早めに施せるようになるという。長寿につながるペットフードの開発など、データの共有と分析で新たなサービス展開が可能になるとみている。
JIJI Press