
・墓はエジプト古王国時代末期から、プトレマイオス朝末期の年代のものまで多岐にわたる
・墓には埋葬用の食器と見られる石灰岩の残骸とともに、雪花石こうで作られた小さな器や、動物や人間の骨が入っていた。
ムハンマド・アブ・ザイド
カイロ:約4,200年前のものとされる約250基の墓が、エジプトの考古学者らによって発掘された。
同国の考古最高評議会の考古学的ミッションは、ソハーグ県の南部地域でこの発見に至った。
ソハーグ県のアル・ハミディヤ墓地で発見されたこの墓には、「1つの縦穴や複数の埋葬用の縦穴が付いた墓もあれば、埋葬用の部屋に続く傾斜通路がある墓」も含まれていた、とエジプト考古省は声明の中で述べた。
関係者らは、この墓がエジプト古王国時代末期から、プトレマイオス朝末期の年代のものまで多岐にわたる、と付け加えた。
AFPによると、エジプト古王国は、紀元前2200年頃まで約500年続き、エジプトのプトレマイオス朝は、紀元前30年にクレオパトラが亡くなった時代の辺りまで300年間統治したという。
エジプト考古最高評議会のムスタファ・ワジリ事務局長によると、古王国時代に遡る1基の墓には、ヒエログリフを刻んだ跡がかすかに残り、いけにえのための部屋があったという。
彼は、これらの墓は複数の様式から成り、墓は山岳地帯の様々な高さのところで発見されたため、さらに多くの墓が発見される可能性がある、と付け加えた。
上エジプト考古総局監理部の幹部ムハンマド・アブデル・バディエ氏によると、古代エジプトの神々に捧げられた陶器や奉納品も見つかったという。
彼は、陶器の中には日常生活で使われていたものや、小型の象徴的な捧げものとして埋葬を行う際に使われていたものがあり、これらは小さな球状の容器で、外側には黄色がかった塗料の跡が付いていた、と述べた。
エジプト第6王朝時代の埋葬用の食器と見られる石灰岩の残骸とともに、小さな雪花石こうで作られた小さな器や、動物や人間の骨も発見された、と彼は付け加えた。
プロジェクトの一環として、この地域では300基以上の墓が記録および文書化されており、こうした地域は南部のナグ・アル・シェイクから北部のアル・カゼンダラにまで及ぶ。
エジプトはここ数ヵ月間で、いくつかの重要な新しい考古学的発見を公表しており、こうした発見が、2011年のアラブの春や今も続く情勢不安、イスラム過激派による攻撃、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行などで打撃を受けた主要産業である観光を復活させるための助けとなるよう希望を抱いている。