グランドスラム・シングルスで4度の優勝を達成している大坂なおみ選手をモデルにしたバービー人形が発売された。

現在世界ランキング2位となる23歳の大坂選手は、自身の影響力を活用し、警察による暴力や人種的不平等に注目するよう世間に働きかけてきた。他方で、マテル社は、多様なロールモデルや職業に着想を得た人形を作ることで、同社を代表する製品の「バービー人形」シリーズをより多様化する取り組みを進めている。今回の大坂選手の起用は、同社のこうした取り組みの一環であるといえる。

「バービー・ロールモデル・シリーズの一部となれたことを光栄に思います。また、女の子たちには、自分には世界を変えられる力があることを忘れないでほしいと思います。世界中の女の子に対して、どうか自信を持ってください、そして夢は大きく持ってくださいと言いたいです」と大阪選手は声明で述べた。大阪選手自身、合計23回のグランドスラム優勝回数を誇るセレナ・ウイリアムズ選手に憧れて育ったという。

近年の企業ブランドは、特定の社会問題に対して明確な立場を取るとともに、女性アスリートとの提携をアピールすることで、新しい顧客を呼び込むことについてより前向きになっている。今回のマテル社と日本の大坂選手とのコラボも、その一例であるといえる。

4月には、ギャップ社のブランドである「アスレタ」が、オリンピックの体操競技で四冠を達成したシモーネ・バイルズ選手と、多様性と包摂をテーマとしたアパレル製品のパートナーシップ契約を新たに締結した。

マテル社は他にも、アメリカのサッカー選手であるアレックス・モーガン選手や、フェンシングのオリンピック選手であるイブティハージ・ムハンマド選手をモデルとしたバービー人形を販売している。

「バービーは、実際のロールモデルを称えることに尽力しています……障害を乗り越え、次の世代の憧れとなるようなロールモデルです」とマテル社は、大阪選手の人形の発売にあたり、声明で述べた。大阪選手の人形は、ナイキのテニスウェアを着て、ラケットを手にしている。

精神的な療養のために全仏オープンを辞退し、その後、個人的な理由からウィンブルドン選手権大会を欠場した大坂選手だが、今月末のオリンピック大会には出場する予定だ。

ロイター