
福井県立恐竜博物館とタイのコラート化石博物館は22日までに、タイで見つかった大型肉食恐竜の化石が、新属新種のカルカロドントサウルス類と判明したと発表した。論文は米国オンライン科学誌プロス・ワンに掲載された。
県立恐竜博物館によると、化石は同県勝山市で見つかった「フクイラプトル」と同じカルカロドントサウルス類で、学名が付いた同類の中では最も原始的だという。
同博物館やタイの共同研究チームが2007~13年、バンコクの北東約300キロにある約1億2000万年前(白亜紀前期)の地層で発見した。学名は、「タイの略奪者」を意味する「シャムラプトル」とコラート化石博物館の振興に尽力したタイのスワット元副首相の名を組み合わせ、「シャムラプトル・スワティ」とした。
シャムラプトルは、全長約8メートル、体重は約1.5トンと類推された。部分的な頭骨や四肢骨など計22点を調べたところ、下顎の後方に特徴的なへこみがあることなどから、新属新種と判断した。
研究チームの服部創紀・福井県立大助教は「カルカロドントサウルス類の分布が東南アジア地域にまで広がっていたことが分かったのは、重要な意義がある」と話した。
JIJI Press