
東京:日曜日、日本初の女子プロサッカーリーグが盛大に幕を開けた。新型コロナウイルスの影響による観客数制限がある中、選手から「ヒーロー」を生み出し、次の世代を鼓舞しようと目論んでいる。
2011年の女子ワールドカップで優勝してから10年、世界的に人気と経済規模が拡大する女子サッカーで、日本は後れを取っていた。
しかし、11チームから成るWEリーグの主催者は、WEリーグが才能を開花させるためのプラットフォームとなると考えている。また、2023年にオーストラリアとニュージーランドで開催されるワールドカップに向けて、アジア太平洋地域で高まるサッカーブームに乗れるだろうと予想する。
東京ヴェルディベレーザ対浦和レッズレディース戦の前に行ったスピーチで、WEリーグの岡島喜久子チェアは「WEリーグは、誰もがヒーローになれる舞台です」と語った。
東京をはじめとする日本各地で、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されているため、試合には入場制限が設けられた。
ベレーザ対浦和戦では、ホームであるベルーザのファンのみが入場でき、声を出しての応援や応援歌が禁止され、マスクの着用も義務付けられた。
しかし、小さいながらも居心地の良いベレーザのホームスタジアムには、約2,500人の観客が集まり、キックオフ前の雰囲気は期待に満ちていた。
ベレーザのサポーターである11歳の玉井結衣さんは、試合前にAFPの取材に対し、「女子サッカーでは、男子サッカーよりも豪快なプレーが生まれることもあります」と語った。
「男子サッカーばかりが注目されていますが、女子サッカーも徐々に注目されるようになると思います」
東京五輪の日本代表選手が8人も先発したこともあり、ファンは終始活気に満ちた試合を楽しんだ。
前半半ばにベレーザが先制したものの、アマチュア時代の最終王者である浦和が同点に追いついた。
その後、88分に塩越柚歩がゴールを決め、浦和が宿敵ベレーザに2-1で劇的な勝利を収めた。
浦和の楠瀬直木監督は「WEリーグの開幕戦というのもありますが、相手はベレーザで、カップ戦でも負けていたので悔しさが残っていたんです」と語った。
日本は2011年のワールドカップで優勝し、澤穂希をはじめとする選手たちは一躍有名になり、なでしこジャパンは国民的なヒーローとなった。
しかし、日本の登録選手のうち女性はわずか3.3%であり、女性選手の数は過去10年間でほぼ変わっていない。
また、日本はFIFA世界ランキングで13位に転落しており、前回のワールドカップでは準々決勝進出は叶わなかった。
WEリーグは、Women Empowerment(女性の地位向上)の略で、ピッチの内外で変化を起こすための土台を築くことを目指している。
各チームに最低1人女性監督を置かねばならず、スタッフの半数、意思決定者の1人を女性にすることがすべてのクラブに義務付けられている。
しかし、浦和のストライカーである菅澤優衣香選手は、「チームがピッチ上で成果を上げられなければ意味がない」と話した。
「日本の女子サッカー界にふさわしい環境を作るためには、みんなが見たいと思うようなサッカーをする必要があります」と菅澤選手は言う。
「今日だけでなく、こうやってプレーし続けていく必要がある」と語った。
AFP