
Bassam Zaazaa (ベイルート)
レバノンの人々は、自国の歴史上最悪レベルの経済崩壊に耐えながらも、ユーモアのセンスを維持し続けている。
1975~1990年の内戦以前、最中、その後でさえ、状況はそこまで悪くなかった。昨年10月17日の蜂起以来、事態は悪化している。
何千人もの労働者は仕事を失ったかその瀬戸際におり、賃金は削減され、何百もの会社や店は閉鎖を余儀なくされている。
しかし、レバノンの人々の遊び心は国の金融危機に損なわれていなかった。
実業家カルロス・ゴーンが日本からベイルートに劇的に逃亡した12月30日より、レバノンのSNSユーザーは、この自動車会社元幹部の自由に向けた逃走に喜劇的な面を見ており、インターネット・ミーム・キャンペーンを開始した。
日産自動車元会長ゴーンは日本から逃亡したとき、財務不正行為を行った容疑により裁判を待っていた。プラットフォームではゴーンの逃亡が1963年の戦争映画『大脱走』のシーンに似ていると評されており、彼を同映画の主役を演じた米国俳優スティーブ・マックイーンになぞらえている。
ミームは、この映画の宣伝ポスターの、ドイツの捕虜収容所からバイクで逃げる良く知られたマックイーンの姿の顔にゴーンの顔を重ねた画像を投稿した。
フォトショップで加工されたTwitterのミームでは、アラビア語のツイートでどうしたらレバノンから脱出できるか尋ねている65歳の元CEOも見られた。
他の投稿はアラビア語で書かれており、「カルロスはここにいない」と宣言するテキストと画像を示すハッシュタグで、状況を信じられない日本を表現している。
ゴーンが楽器ケースに隠れて日本から密かに運び出されたとの報道をからかい、Hitachiと書かれた大きな箱の画像に「ゴーン、ベイルート空港行き」とアラビア語キャプションを付けた投稿も見られた。