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エジプトのWTAヒロイン、マヤル・シェリフ選手、パルマでの優勝で「自分を限界まで追い込んだ」とのコメント

パルマ・レディース・オープン (ダニエル・コンビ)
パルマ・レディース・オープン (ダニエル・コンビ)
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03 Oct 2022 05:10:38 GMT9
03 Oct 2022 05:10:38 GMT9
  • 26歳の同選手は母国初となるWTAタイトル獲得に信じられないという気持ちを隠せない様子だった。

リーム・アブレイル

パルマ: パルマ・レディース・オープンでエジプト人初のWTAタイトル獲得という偉業を成し遂げたマヤル・シェリフ選手は自身でも信じられないとの感想。

カイロ出身の26歳の同選手は金曜日の試合が雨天順延となったため、準決勝と決勝の両方を同日に戦わなければならなかった。

シェリフ選手は準決勝でルーマニアのアナ・ボグダン選手、決勝でギリシャの世界7位マリア・サッカリ選手と対戦、合計4時間26分となるコート上での激闘を制し、自身初となるWTAレベルの大会でのトロフィーを獲得した。

パルマ・レディース・オープン (ダニエル・コンビ)

この勝利はシェリフ選手にとって初となる決勝でのランキングトップ50の対戦相手からの勝利となった。いままでの決勝でのトップ50選手との対戦成績は10戦で未勝利だった。また、このエジプト人選手は第1セットで3回のブレークダウンを逆転、第2セットも1度ブレークダウンを許したところから逆転、最終的に7-5、6-3で元世界ランク3位のサッカリ選手を下した。

歴史的な勝利を収めたシェリフ選手はアラブニュースに「もうヘトヘト、もう無理、本当に無理」と笑顔でコメントした。

「昨年はWTA250の決勝で負けてしまったので、今回は『もう負けたくない』と思ってコートに立ちました。決勝で負けるのは本当に嫌なものです。だから『どうしても勝ちたい、やれることをやって、自分の限界を超えよう、失うものは何もない』という気持ちで臨みました。それと緊張して硬くなることもありませんでした。」

「疲労が溜まっているのは感じていましたし、それでもどうにかしなきゃと思っていました。優勝できたのは本当に信じられないし、本当に神に感謝しています。」

シェリフ選手は昨シーズンのクルージュ・ナポカで初めてWTAの決勝に進出したが敗れている。対戦相手のケリーヌ選手はビッグマッチを得意とし、メインツアーのすぐ下のレベルのツアーの100kドルや125シリーズで4回決勝に進出しており、そのすべてを制してきた。

「私は決勝で負けるのが本当に嫌で、去年は2回連続で決勝で負けてしまい、ジュストコーチに『次の決勝は、何があっても勝つ』と言っていました」と明かす。

「自分がどんなチャンピオンなのか、どんな性格なのか、そういう言葉によく表れます。だから決勝で負けるのはイヤ、頑張らなきゃって。今日はとても疲れていたし、やり遂げられたのが本当に信じられません。」

シェリフ選手はその日最初のボグダン選手との試合を過酷な3セットマッチで制しており、これがサッカリ選手との対戦に向けて自信となった。昨年のドーハでのサッカリ選手との対戦ではシェリフ選手は3ゲームしか取れずに完敗を喫していた。

「前回のサッカリ選手との対戦は2セットのストレート負けだったので、今日は彼女に食らいついて行こうと思ってコートに入りました。彼女が苦しんでいて、今大会は本調子でないことも知っていたから、とにかく彼女に食らいつこうと」とシェリフ選手は話す。

月曜日にトップ50に復帰し世界ランキングを74位から48位に上げるシェリフ選手は5月のローラン・ギャロスで足を負傷し2ヶ月以上欠場していたため、復帰以来苦戦していた。

ペパーダイン大学出身の同選手は8月のツアー復帰後の9試合で6試合に敗れており、先週のパルマでのトーナメントには何も期待していなかった。

「大会が始まってから風邪をひいてしまい、初戦から鼻詰まりになってしまいました」とシェリフ選手は明かした。

「パルマに来たときは、とにかく1回戦を突破したい、1試合は勝ちたいと思っていたんです。でも、どういうわけか毎試合うまくいったんです。これは全然予想していなかった結果で、どん底の状態からここに来ることができました。負け込んでいたので自分の試合のリズムを探っていたのですが、突然このような結果になりました。」

シェリフ選手はエジプトの女子テニスの歴史に新たな1ページを刻み続けている。同選手は同国出身のWTAプレーヤーとして初めてトップ50入りを果たし、グランドスラムで初めて試合に勝ち、そしていま同国初となるツアータイトルを獲得した。

「今日、多くの壁を破ることができてとてもうれしいです。初めてのトップ10の選手からの勝利、WTA250のタイトルの獲得、これらすべてが私にとって大きなことです。」と同選手は話す。

「最近は精神的にすごく苦しんでいました。足の調子も悪いし、体力面も元に戻れずにいました。練習では毎日自分を限界まで追い込もうとしていました。たとえプレーの出来がよくなくても、負けていても続けてきたそういう努力がやっと報われました。」

「この優勝は自分自身を鍛え、レベルを向上させるために大きなモチベーションとなります。私にはまだ伸びしろがあるし、私の目指す最高のプレーができているわけでもありません。だからもっと上達したいし、体力面でも元の状態に戻したいと思っています。本当にうれしいです。」

ここ数シーズンのシェリフ選手のランク上昇と時を同じくして、チュニジアの世界ランキング2位オンス・ジャブール選手も急成長しており、アラブのテニスプレーヤーとして前例のない快挙を次々と成し遂げている。

アフリカ人女性として、また、アラブ出身者としても史上最高位のジャブール選手は今シーズン、ウィンブルドンとUSオープンで2大会連続グランドスラム決勝に進出しツアーで注目される存在となっている。

「オンス選手がやっていることには全く驚いていません」とジャブール選手についてシェリフ選手はコメントする。

「彼女は偉大なチャンピオンであり、多くの壁を打ち破りました。彼女がトップ10やトップ50の多くの選手よりも精神的に強いというのは疑う余地がありません。」

「ここアフリカにはオンス選手という稀有な才能がいます。このような高いレベルにあるオンス選手はメンタルの強さで多くの人の選手の先をいっています。」

「彼女がやっていることには全く驚いていません。彼女に背中を押されています。彼女がグランドスラムの決勝で戦っているのを見ると『自分ももっと頑張ろう』と思うのです。」

「WTA250のトーナメントで優勝することができ、もう次を考えてしまっています。オンス選手に刺激を受けているのです。私も彼女に続きたいと思っています。」

WTA250パルマの準決勝(ダニエル・コンビ)

シェリフ選手は日曜日からカイロに向かい、3週間のトレーニングブロックに入る。その後2022年シーズンの終盤戦に向けてコートに戻ってくる予定だ。

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