ナダ・ハミード
ジェッダ:サウジアラビア人歯科医でもある遠泳選手が、紅海横断の遠泳で、女性世界新記録を樹立した。
マリアム・サレハ・ビンラディンさんは、サウジアラビアのチラン島からエジプトのリゾート地シャルム・エル・シェイクまでを、わずか4時間で泳いで横断した。
イギリス人遠泳選手で、国連パトロン・オブ・オーシャンズ(海洋の保護者)のルイス・ピューさんが、ビンラディンさんに、9キロの道のりを同行した。
ピューさんにとって、来月シャルム・エル・シェイクで開催予定の、2022年国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)に向け、海洋やサンゴ礁の環境破壊に対する意識を高めるキャンペーンの最初の活動だった。
ビンラディンさんはアラブニュースの取材に対し「泳ぎ切った瞬間は、高揚感、歓喜、そして無傷で目標を達成したことを有り難く感じました。」と語った。
「遠泳開始前は、天候やサメなどを心配していました。最後の瞬間が近づくと、とても危険な状況の中でチームが無事であったことをアッラーに感謝しました。」
強風や荒波で、遠泳の日程が2日間ずれ込んだ。
彼女は「2コマに区切って泳ぎ、サメに襲われるリスクを最小限にするため、食べる回数も少なくしました。最も困難な局面だったのが、中間地点で海が大荒れだったことです。」「私たちはサメ避けのケージを使わないと決めていたので、常にサメのことが頭の片隅にありました。」と語った。
ビンラディンさんは、2012年からプロとして海や川での遠泳に取り組んでいる。
「週に最低でも3回は、ハードなトレーニングを行っています。週末には、運動量を維持するために、4~6時間泳ぎます。健康管理には熱心に取り組み、大きなチャレンジの前には肉体的に過酷なスケジュールをこなします。」と付け加えた。
彼女にとって初めての世界記録は、2016年のロンドンのテムズ川だったが、紅海の挑戦は、より大きな目的のためだったと言う。
「私にとって大切な目的のため、このチャレンジへの参加を決めました。このチャレンジは臆病ではできません。トレーニングで鍛錬し、体力と精神力をつける必要があります。この2つによって、頑張り続けることができ、成功への鍵となるのです。」と彼女は言った。
遠泳は、体力的、精神的なチャレンジで、スポーツカウンセラーや家族の支えがあってこそ、準備ができたと言う。
「私たちは、どんな恐れや不安も共に解決していきます。常にプロフェッショナルな人たちと取り組むこと、そして適切な人々に囲まれることがどれほど重要であるか、いくら強調しても足りません。」
「また、愛する家族がサポートし、安らぎを与えてくれたことに、感謝しています。彼らなしではこの挑戦に踏み出すことはできなかったでしょう。」と彼女は語った。
ビンラディンさんの慈善活動には難民支援も含まれる。
彼女は「次なる挑戦に向け、心身ともに準備万端です。」「将来については、チャレンジ精神を活かして、自分の興味のある問題への関心を高めていきたいと考えています。慈善活動も継続していますし、仕事もあるのでとても忙しいです。」
彼女は、2015年8月にトルコで開催されたアジアからヨーロッパへのダーダネルス海峡オープンウォーターレース、総距離6.5キロを、アラブ人として初めて1時間27分26秒で完泳するなど、現在、5つの世界記録を保持している。
2016年9月には、サウジアラビア人として初めて、イギリス海峡横断39.7キロのアシステッドスイムを達成し、11時間41分という偉業を成し遂げた。
また、ドバイ・クリークとドバイ運河を泳いで渡った初の選手で、総距離24kmを9時間10分で泳いだ。