
ジョン・デュエルダン
サウジアラビアが2027年のAFCアジアカップの開催国に選ばれ、なんと大陸最大の国際大会が初開催されることとなった。
クリスティアーノ・ロナウドがアル・ナスルでプレーするためにサウジアラビアにやって来て以来1カ月足らず、2022年カタール・ワールドカップでサウジ代表チームが素晴らしいパフォーマンスを披露してから2カ月、このニュースは、世界最大の大陸において最も人気のあるゲームの主要拠点としてのサウジアラビアの地位を確固たるものにしたのだ。
アジアサッカー連盟(AFC)がバーレーンの首都マナマで大会を開催したため、サウジアラビアが公式に承認される可能性は常にあったと言える。
当初は、5カ国が参加した。イランとウズベキスタンが辞退し、その後、依然として鎖国状態でゼロコロナ政策に取り組んでいる中国が2023年大会の開催を断念したため、カタールが代役に回ったのである。
つまり、残るライバルはインドのみとなり、12月にニューデリーが辞退したことで、サウジアラビアが史上初めて大会を開催する道が開かれたのである。
ついにその時が来たのだ。
パンデミックもより大きな役割を果たした。新型コロナウイルスの大流行中でクラブと国のさまざまな試合に支障が生じている中で、サウジアラビアは、ワールドカップ予選であれ、AFCチャンピオンズリーグであれ、適任で、柔軟性があり、信頼できる開催国であることが証明された。
急な依頼も多かったが、その仕事ぶりはAFCに高く評価された。中国での事態で連盟が指を火傷した後、ジェッダ、リヤド、ダンマームといった都市が安全な選択肢であり、アジア最大のスポーツイベントの最初の開催地にふさわしい場所とみなされるのは不思議ではない。
しかし、それ以上のものがある。サウジアラビアのサッカーの評判は、おそらくこれまでより高まっているのだ。サウジアラビア代表は、11月のワールドカップで優勝したアルゼンチンに勝利し、世界中にセンセーションを巻き起こしたことに、まだ浸っている。圧倒的な勝利であった。もしもう少し運が良ければ、特にサレム・アルダワサリのPKがポーランド戦で決まっていれば、エルヴェ・ルナール監督率いるサウジアラビア代表チームはベスト16に進出できただろう。
サウード・アブドゥルハミド選手などがイタリアなどで大活躍していることからも、この国に才能があることが分かるだろう。
サウジアラビアのプロフェッショナルリーグは、長い間アジアで最も強いリーグの一つであったが、近年は強さ、奥深さ、水準が上がってきている。アジアチャンピオンズリーグの終盤には、複数の代表が出場するのが常となっている。アル・ヒラルはディフェンディング・チャンピオンであり、過去3回のうち2回優勝している。現在、記録的な数の4大陸タイトルと、オディオン・イガロやムサ・マレガといった国際的スターを擁している。4日土曜日、アル・ヒラルは3年ぶり3度目のFIFAクラブワールドカップ出場を果たす。
ワールドカップでの活躍や昨年6月のU23アジア選手権の優勝が物語るように、サウジアラビアには才能あるコアな選手が増えつつあるが、このリーグにはアジアサッカー界最高の外国人選手やコーチがいるのである。
アル・イテハドにはトッテナム・ホットスパーのヌーノ・サント元監督がおり、モロッコのマークスマンである、アブデラザク・ハムダラ、エジプトの頼りになるディフェンダー、アーメド・ヘガジ、イゴール・コロナドやロマリーニョといった優秀なブラジル人選手も揃っている。
アル・シャバブはチャンピオンズリーグのグループリーグを破り、2位のアル・アハリでさえ、母国南アフリカのマメロディ・サンダウンズで3度、エジプトの強豪アル・アハリで2度のアフリカチャンピオンズリーグ優勝を果たしたピツォ・モシマネが監督を務めている。現在、サウジ・プロフェッショナルリーグ(SPL)はアジア大陸で最もエキサイティングで注目度の高い国内大会となっている。
そしてそれは、ロナウドがアル・ナスルと契約する前も同じだった。ポルトガルのスター選手であるロナウドは、バロンドールを5回受賞し、UEFAチャンピオンズリーグでも5度の優勝を果たしている歴史上最高の選手の一人である。レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、ユベントスの元選手というレジェンドの才能だけでなく、地球上で最も認知度の高い人物の一人であるという事実がある。ロナウドの存在で、まさしくサウジアラビアのサッカー界への注目が更に高まった。
サウジアラビアのサッカーが現在ピッチ上で絶好の場所にあるため、アジアカップ開催の発表は当然の判断であるだけでなく、フィールド外で何が起こっているかを裏付けるものでもあるのだ。この大会は、国内で開催されるサッカーイベントとしては過去最大のものとなるが、まだまだこれからというところだ。待つ時間は終わり、さあ、準備を始めよう。