

バドル・アル・シャラリ騎手は、障害のために自分の情熱を抑えることを良しとせず、盲目でありながら、馬にうるさいサウジアラビアで公式に認められるまでになった。
35歳の彼は今月ついに、サウジアラビア馬術連盟初の盲人会員として認められたが、それまでほぼ2年間にわたって週に3回以上トレーニングしなければならなかった。
しかしそのデータ部門の作業員はAFPの取材に対し、公式に認められるまでの道のりで重要なのは、セルフ・エンパワーメントだったと語った。
彼は木柵の障害コースを終えた後、手綱を握って馬の鞍の上から、乗馬の魅力に取りつかれるまでの人生について語った。
アル・シャラリ氏はヤシの木が並ぶ砂浜で、「私は内向的で、家からあまり出なかったのです」と語った。
「馬と関わることによって、内向的な自分の壁を打ち破ることができました。馬を手なずけることができるのなら、何でもできるのです」
アル・シャラリ氏は、母親や弟と同じく、生まれつき目が見えない。
彼は毎日、リヤド西部の自宅からリヤド東部のメダル乗馬センターまで140キロ(90マイル)を移動し、そこでアフガニスタン人の助手であるナシム氏に手伝ってもらってトレーニングをしている。
感覚スキル
彼の指導をしているエジプト人のアブ・マフムード氏は、早朝のセッションでアル・シャラリ氏が障害飛越競技のコースを、フェンスにほとんど触れることなく完璧にこなすのを見ている。
「フェンスに触れずにジャンプしているのを見ましたか。まるで目が見えているようです」とアブ・マフムード氏は感心して頷いた。
世界有数のアラブ純血馬の産地であるサウジアラビアでは、馬術は人気があり、乗馬クラブもいくつかある。
公式データによると、サウジアラビアの人口3,400万人のうち障碍者は7%を占め、そのうち約81万1,000人が目が不自由である。
そういった人々は最近まで、目の見える人々と一緒に乗馬の楽しさを味わうことができないことが多かった。
しかし今では、一部の乗馬学校において、目の見えない生徒や自閉症の生徒向けに、運動能力や感覚能力の向上を支援する特別なプログラムを提供している。
アブドゥル・ラーマン・アル・オタイビ氏は3ヶ月前に、メダル乗馬センターに入校した。
重度の視覚障害がある31歳の彼は、「馬を兄弟と思うようになりました」と述べている。
アル・シャラリ氏と同じように、アル・オタイビ氏も、乗馬のおかげで「より社交的」になり、社会に「溶け込む」ことができるようになったのだと述べている。
サウジカップ
「友達が増えて、新しい人間関係もできました」と彼は述べている。
アルオタイビ氏は全盲ではないが、コースの柵がよく見えない。そのため、最初は転ぶのではないかと不安だった。
「ジャンプが怖かったです…でも、時間が経つにつれて、この恐怖は解消されました」と彼は語った。
メダル乗馬センターの責任者であるマシャリ・アル・ディヤビ氏は、目の不自由な人々は「学ぶ能力、決意、主張があるのに、社会がそれをできないかのように感じさせているのです」と述べている。
乗馬は、「どんな状態の乗馬者に対しても、その精神的・身体的能力を高める」素晴らしい方法であると、アル・ディヤビ氏は述べている。
サウジアラビアで毎年開催されるサウジカップは、今年は首都にあるキングアブドゥルアジーズ競馬場で今月末に行われる。
賞金総額3,500万ドル以上であり、主催者はサウジカップを世界で「もっとも価値のある競馬」だとアピールしている。
「私の目標は、いつかサウジカップに出場することです」と、アル・シャラリ氏は人の手を借りずに馬から降りながら語った。
「できない理由はないでしょう?」と彼は顔の汗を拭きながら言った。
AFP