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UAEの第14回シャルジャ子ども読書フェスティバル、没入型「エデュテインメント」を生み出す

12日間の第14回シャルジャ子ども読書フェスティバル(SCRF)には122,000人以上が来場した。
12日間の第14回シャルジャ子ども読書フェスティバル(SCRF)には122,000人以上が来場した。
12日間の第14回シャルジャ子ども読書フェスティバル(SCRF)には122,000人以上が来場した。
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03 Jul 2023 08:07:05 GMT9
03 Jul 2023 08:07:05 GMT9

アミン・アッバス

シャルジャ:12日間の第14回シャルジャ子ども読書フェスティバル(SCRF)では、さまざまな経歴、幅広い年齢層の122,000人を超える来場者が、学習とエンターテインメントの新しい世界の旅に誘われた。エキスポセンター・シャルジャは、創造性、アート、文化のプラットフォームに変わり、子ども、青少年、保護者、学生、アーティスト、ライターなど、122,000人を超える訪問者に1,300時間以上の教育活動の場を提供した。SCRFのテーマ「脳を鍛える」のもと、あらゆる年齢層の訪問者が12日間の発見の旅に出発し、想像力と学習の新しい世界を探索した。

最高評議会メンバーでシャルジャ首長のシェイク・スルターン・ビン・ムハンマド・アル・カシミ博士のビジョンに沿って、家族問題最高評議会議長のシェイク・ジャワヘル・ビント・ムハンマド・アル・カシミ氏の指揮のもと、シャルジャ書籍管理局(SBA)が主催したSCRF 2023は、将来の世代が本来持っている力を伸ばし、そのスキルを磨き、可能性を解き放つというシャルジャの目的を具現化するイベントだった。アート、スポーツ、テクノロジー、イラスト、音楽などの幅広いアクティビティ、パネルディスカッション、ワークショップなどが行われた今回のフェスティバルでは、インスピレーションを与え、楽しませ、教育することを目的とした、多彩で充実したプログラムが用意された。

アル・カシミ博士は、児童文学を薦めるSCRFの活動をさらに盛り上げる具体的な措置を講じた。博士は、250万AEDを惜しみなくフェスティバル参加出版社の書籍の購入に充て、青少年を読書や学びに親しませるというSCRFの取り組みを強化した。

今回のフェスティバルには世界中から141の出版社が参加し、66か国から457人のゲストが集まり、児童文学シーンの最新の作品を紹介する1,732の魅力的なワークショップやセッションを実施した。日本からも、広島出身の被爆2世で、上智大学で修士号を取得し、日本で多くの書籍を出している朽木祥氏と、1963年から1972年まで虫プロダクションで手塚治虫とともに『鉄腕アトム』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『あしたのジョー』、『BEM』を制作した漫画家、イラストレーター、アニメーターの渡辺佳子氏が出席した。SCRF2023は大成功を収め、若者の精神を形づくり、創造的な表現と文化交流の場をもたらす読書の力を実証した。

UAEでは、ブックセラーズ・カンファレンスの第2回も開催され、世界69か国から383の書籍販売業者が集まった。このカンファレンスは、変化を続ける書籍流通の状況についてアイデアや意見を交換する活気に満ちたフォーラムであり、参加者にとっては新市場への進出を模索するチャンスでもあった。

期間中は、書籍流通エコシステムの現実について率直に議論するためのプラットフォームに加え、志を同じくする人々が集まり、このダイナミックな業界で進むべき道を見極める機会が企画された。経験豊かなディストリビューターが大勢参加したこのイベントは、ベストプラクティスを共有し、人脈を広げ、新たなパートナーシップを築く絶好の場になった。

SCRFの総合コーディネーターのコウラ・アル・ムジャイニ氏は、フェスティバルの成功と方向性について次のように述べた。「子どもたちのエンパワーメントは、シャルジャの発展において極めて重要な柱です。将来のリーダーを支援し、プラットフォームを提供することで、私たちは、最高評議会メンバーでシャルジャ首長のシェイク・スルターン・ビン・ムハンマド・アル・カシミ博士殿下のビジョンと、博士の妻で、家族問題最高評議会議長のシェイク・ジャワヘル・ビント・ムハンマド・アル・カシミ殿下の指揮の未来を見据えたリーダーシップを積極的に実行しています。このフェスティバルの一番の目的は、同じ方向性を目指すコミュニティと、潜在能力を発揮できる国家を築くために、新世代に投資することです」

その背景に関連して、アル・ムジャイニ氏は、SCRFが、子どもたち、子どもたちの文化、知識にかかわるすべての人々が一堂に会するイベントとしての地位を確立していることを強調する。そして、このフェスティバルは、子どもたちの意識を高め、そのエネルギーを引き出すような新しいアイデアや仕組みを生み出すプラットフォームだと指摘した。実際に、SCRFには、学ぶことに貪欲で、好奇心旺盛な子どもたちの心と人格の形成に貢献することならなんでも推進するというシャルジャ書籍管理局のビジョンが現れている。

またアル・ムジャイニ氏は、フェスティバルのアクティビティが、来場者の興味関心にマッチし、保護者に影響を与えるだけでなく、子どもたちの意識を高めて、年間を通じて才能を磨く情報源に到達できるような持続可能なアプローチを促す内容になるように細心の注意を払ってデザインしていることを強調した。「このフェスティバルの名称の由来である読書文化の重視は、誰もが共有している継続的な課題です。それは、読書を奨励するだけでなく、子どもたちの関心事を知り、さまざまなアート、科学、知識への興味を高めるあらゆるきっかけを提供することでもあります」

12日間のシャルジャ子ども読書フェスティバルでは、10か国から集まった25人のゲストによる興味深いイベントが946件開催された。アート、スポーツ、科学、テクノロジーなどのさまざまな分野にまたがる子ども向けの多彩なワークショップもそのひとつだ。また、136の劇場公演、パフォーマンス、アクロバットや音楽コンサートなどが次々と披露された。これらのイベントは、16か国から集まった16人のゲストが、文化の祭典においてそれぞれ独特の才能を発揮して実現した。

フェスティバルには注目のシーンがいくつもあったが、ソーシャルメディアで多くのフォロワーを抱える人気の子ども向けショー、マサカ・キッズ・アフリカーナの魅惑のパフォーマンスもそのひとつだった。世界中のステージで感動と興奮を与え続けてきたマサカ・キッズ・アフリカーナは、SCRFでも本領を発揮した。そのパフォーマンスは、若い心にアートと文化に触れさせ、次世代のクリエイターにインスピレーションを与えるというフェスティバルの目的そのものだった。

他にも、SBA、UAEのヌジュム、クウェート・パンサー・メディアプロダクションが共同制作した演劇作品『アローン・アット・ホーム』もフェスティバルの目玉で、UAEとクウェートの才能ある俳優が出演した。さらに、フェスティバルの多様なプログラムに、ウルドゥー語とヒンディー語の喜劇『アクバル・ザ・キング・ナヒ・ラヘ』が含まれていたことも、UAEの包括性と多様性を目指す取り組みの証しである。

豪華な文化の祭典には、21か国から、アーティスト、ライター、クリエイターのダイナミックなグループである68人の著名なゲストも参加し、今日の世界が直面している差し迫った問題を考える興味深いパネルディスカッションを行った。また来場者は、子どものコミュニケーション能力を開発し、知恵と創造の可能性を育み、斬新な能力を発揮させることを目的としたセッションに出席することもできた。

また会場では、あらゆる年齢層の来場者が興味を抱くような多種多様のアクティビティが催された。323のコミック中心のイベント、72のソーシャルメディア・ステーションの体験、30のクッカリーコーナーでの料理アクティビティなどだ。一方、「シャルジャ児童書挿絵展」では、いろいろな魅力的なワークショップや教育セッションが開催された。

没入型アクティビティにとどまらず、高く評価されている団体や政府機関もフェスティバルの大成功に貢献した。これらの組織は、シャルジャ書籍管理局と協力し、楽しいイベント、充実した読書会、幅広い注目と来場者を集めるアクティビティを企画した。このフェスティバルの影響力の大きさは、シャルジャ、アラブ、そして世界の多数のメディアで報道されたことからも感じ取れた。

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