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シリア北西部の医療・援助団体、トルコからの援助が途絶えれば状況が悪化すると懸念

2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
2023年2月10日、大地震に見舞われたシリアへの国連の人道援助を積んだトラックが、シリアのイドリブ県にあり、トルコに通じるバブ・アル・ハワ国境検問所に停車している。(AP通信写真/資料)
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13 Jul 2023 05:07:36 GMT9
13 Jul 2023 05:07:36 GMT9
  • 国連安全保障理事会は、トルコからバブ・アル・ハワ国境検問所を通って反体制派支配下のシリア北西部へ届ける越境支援の延長に失敗した
  • ブラジルとスイスが提出した、越境支援を9か月更新する妥協案に対し、ロシアが拒否権を行使した

イドリブ、シリア:ユーセフ・アルラマダン氏は、生きるために妻や3人の子どもたちを働かせなくてはならないことに、いつも罪悪感を抱いているという。そして今、トルコからの国際援助の流れが途絶える可能性があるため、彼らはやっていくことができなくなるかもしれない。

イドリブ北部にある難民キャンプ内で自身のテントの外に立つアルラマダン氏は、国連安全保障理事会が、反体制派支配下のシリア北西部に暮らす同氏を含む約410万人にとって重要な生命線となっている国境を越えての人道支援を延長できなかった場合、自分たちの収入ではやりくりできないかもしれないと心配している。大多数の人々は貧困にあえいでおり、援助に頼って生きている。

11日、国連安全保障理事会は、トルコからバブ・アル・ハワ国境検問所を通って反体制派支配下のシリア北西部へ届ける越境支援の延長に失敗した。

バッシャール・アサド大統領の重要な政治的・軍事的同盟国であるロシアが、ブラジルとスイスが提出した、越境支援を9か月更新する妥協案に対し、拒否権を行使した。中国は棄権したものの、大多数の国がこの決議案に賛成票を投じており、人道支援組織や国連事務総長も支持していた。これに対抗する、追加要件を付して6か月延長するモスクワの決議案は中国にしか支持されず、最低限必要な9票の賛成票を得られなかった。

国連のステファン・デュジャリック報道官は12日に、アントニオ・グテーレス事務総長はバブ・アル・ハワ国境検問所の運用継続を「諦めていない」と断言し、「この国境検問所は、シリア北西部に援助を届ける国連の取り組みにおける最重要地点」であり続けると強調した。

2023年7月10日、トルコに通じるシリアのバブ・アル・ハワ国境検問所付近にある倉庫で、援助物資の袋を荷下ろしする作業員たち。(AFP)

イドリブに暮らす他の多くの人々と同様に、アルラマダン氏も13年目となった継続中の内戦により国内避難民となった。同氏は、シリア政府とロシアに家と農地を没収されたため、イドリブ県の南にある故郷に戻ることはできないという。

「彼らは私たちの土地や住居を取り上げ、今度は国境を閉ざそうとしています」と、同氏はAP通信に語った。「バブ・アル・ハワが開いている状態でかろうじて生き抜いているのに、閉鎖されたらどうなってしまうのでしょう」
シリアではいまだに、2月に発生してトルコとシリア北部の政府管理地域と反体制派支配地域の両方を襲い、5万人以上の死者を出したマグニチュード7.8の地震による影響への対応が続いている。

安全保障理事会は、2014年にトルコ・イラク・ヨルダンから4つの越境地点を通じてシリアの反体制派支配地域に援助を届けることを最初に許可した。数年の間に、中国の支援を受けるロシアが、許可された越境地点を減らし、トルコとつながるバブ・アル・ハワ国境検問所だけにして、許可の期間を1年から6か月に短縮した。

ロシアは、イドリブの武装組織が援助を奪い、必要な人々への供給を妨害していると主張している。ロシア政府と中国政府は、国連による越境支援を段階的に縮小し、その代わりにダマスカスを通すよう求めているが、北西部の飛び地に住むシリア人は、この動きに対して懐疑的だと語っている。

シリア北西部で活動する援助団体「Syrian Response Coordination Group」は、安全保障理事会の常任理事国5か国(フランス・米国・英国・ロシア・中国)による「極めて無責任な行動」と「シリアで暮らす数百万人の市民の運命に対する明らかな軽視」を非難した。

各国際的人道組織は、ロシアによる拒否権の行使を非難した。

「国連安全保障理事会のメンバー国が、現時点でか弱いシリア人たちへ援助を届けるためのあらゆる道を維持しない投票を行うことは、道理と原理に反している」と、国際救済委員会のデイヴィッド・ミリバンド代表は声明で述べた。

イドリブの保健責任者であるムンゼル・ハリール博士はAP通信に対し、安全保障理事会が越境支援を延長できなかった場合、国連の援助に頼る多くの医療施設が、子どものワクチンなどの極めて重要な医療物資や医療機器の不足に直面するため、公衆衛生に深刻な影響が及ぶ恐れがあると語った。

最近この地域を襲った地震により、「シリア北西部における援助供給の不公平に対応することと、長期と短期の両方の復興に向けた取り組みにリソースを配分することの緊急性」が明確になっていると、ハリール氏は述べた。

AP

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