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カタールのマンガ家、シリーズ『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』を執筆

アル・モハンディ氏の描く物語は、ジョージ・ミラーの『マッドマックス』の世界、そして武論尊原作、原哲夫作画の日本のマンガ『北斗の拳』にインスパイアされたものだ。(ANJP)
アル・モハンディ氏の描く物語は、ジョージ・ミラーの『マッドマックス』の世界、そして武論尊原作、原哲夫作画の日本のマンガ『北斗の拳』にインスパイアされたものだ。(ANJP)
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14 Jul 2023 11:07:31 GMT9
14 Jul 2023 11:07:31 GMT9

アミン・アッバス

2022年にデビューしたカタールのマンガ家ジャーシム・アル・モハンディ氏は、『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』の作者。作品の権利は自分で保有しており、英語とアラビア語で発表されている。

アル・モハンディ氏が日本のマンガに魅了されたのは『北斗の拳』を初めて読んだ時。それ以来、いつの日か自分でマンガを描くという意欲を持ち続けてきた。

作家としてのキャリアを積み始めたのは2019年後半のこと。その頃からマンガのスクリプトを書くための勉強に多くの時間を割くようになった。

複数のオンラインクラスを受講し、YouTube上の経験豊富なライターと一緒に仕事をした後、『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』の第一章を完成させることができた。

アル・モハンディ氏は、日本のアニメとマンガに惹かれるようになった原点をアラブニュース・ジャパンに特別に語ってくれた。「子どもの頃、学校から帰ってすぐの数分間はテレビアニメを観て過ごしていました。私はずっと『スーパーマン』や『バットマン』(アニメシリーズです。当時は「アニメ」という言葉も知りませんでした)のようなアクションものが好きでした」。

「それからしばらく後で、学校の友達があるアニメの話をしていました。尻尾の生えた強い子どもがかわいい女の子と冒険をし、悪者をやっつけるアニメの話です。それが『ドラゴンボール』でした(史上トップクラスの影響力を持つマンガのアニメを見ていたとは当時気づいていませんでした)。それから私はどんどんアニメを見るようになりました。『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』、『キャプテン翼』、『銀河戦国群雄伝ライ』などです。やがて私の転機となった『北斗の拳』にめぐり逢いました」。

「当時すでに西洋のコミックに触れていましたが、日本のマンガは『北斗の拳』が初めてでした。私が最初に読んだマンガであり、数え切れないほどマンガを読んだ今になっても、『北斗の拳』は一番のインスピレーションの源であり、一番の宝物でもあります」と彼は付け加えた。

マンガ業界での仕事や彼の考え方について、アル・モハンディ氏はこう語った。「たくさんのマンガを読んでいると、自分でも作品を作りたいという衝動を感じるようになるものだと思います。私も例外ではありませんでした。話の中での出来事を作り、出来事どうしのつながりを作るようになると、全体のストーリーが頭の中に浮かんできました」。

「ただ、完成させるのはたいへんな挑戦でした。幸いにも、今の時代には便利なインターネットがあります。私はインターネットを使って、ちゃんとしたマンガのスクリプトを書くための「最も簡単な」アプローチを探し始めました。すると驚いたことに、名高い作家やクリエイターが書いたマンガのスクリプトが山ほど見つかったのです」と彼は付け加えた。

 

アル・モハンディ氏は、『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』制作の裏話を語ってくれた。「初めてマンガを描こうと考えたとき、苦労したのは物語の設定作りでした。皮肉なものですが、私はジョージ・ミラー氏の『マッドマックス』の世界を称賛し続けてきたというのに、それについて考えたことはなかったのです」。

「しかし私が気づいたのは、ジョージ・ミラーの『マッドマックス』では、設定がそれほど重要ではないということです。正確には違うんですが、こう考えてみてください。世界は今や無法の荒野で、支配するのはウォーロードと無法者たちです。また、何より驚いたのは、自分がすでにジョージ・ミラーの世界を深く理解していたことでした。しょっちゅう映画を見ていましたからね。あと必要なのはそれを印象的に見せる方法で、サラというキャラクターはそうして生まれました」と彼は付け加えた。

さらに彼は作品づくりのため、『北斗の拳』から引用したりメモを取ったりもしている。

『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』シリーズの制作中に直面した課題や経験についてアル・モハンディ氏はこう述べた。「書くことそのものより、アイデアを書き留めてスクリプトを作るための時間を見つけることでした。打ち込むことと優先順位を強く意識するアスリートとして、時間管理は私にとってお手の物でした。やるべきことは執筆を優先させることで、私には運良くそれができました」。

『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』シリーズをこれまで読んだ人々からの反響についてアル・モハンディ氏はこう語った。「物語が進むにつれてビュー数が大幅に増えていることがわかります。これだけでも、読者のみなさんがストーリーに関心を寄せ、あえて時間を割いてくれていることの証だと私には思えます。とてもありがたいことです」。

マンガ業界でのキャリアの中で直面した課題について、アル・モハンディ氏はこう述べた。「私はまだ駆け出しで、学ぶべきことがまだまだあるので、真の課題が何であるか絞り込むのはとても神経を使うことです。これまでの旅は素晴らしいもので、このまま先へと進んでいくつもりです」。

今後のプロジェクトについてアル・モハンディ氏はこう語る。「今現在私が集中しているのは『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』だけです。物語の世界をできるだけ多く読者のみなさんに伝えていきたいと思っています。同時に、キャラクターがこれから経験していく楽しいことも辛いことも」。

『ジャスティス・イン・ザ・ウェイストランド・リバース』の英語版は、以下のリンクから読むことができる:

https://medibang.com/mpc/titles/al2301051015213150024620399/  

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