
岸田文雄首相は25日、10月中の策定を表明した経済対策の「柱立て」を示す。政府関係者が明らかにした。ガソリン補助金の継続など物価高への対応に加え、企業の構造的な賃上げや投資拡大を後押しする予算、税制を検討。経済成長と分配の好循環を目指す。
26日に閣僚に具体的な検討を指示し、来月中の取りまとめを目指す。その後、対策の裏付けとなる2023年度補正予算案を国会に提出する方針だ。松野博一官房長官は25日の記者会見で、「与党ともよく連携し、思い切った経済対策を来月中をめどに取りまとめるべく、速やかに検討を進めていきたい」と語った。
対策は、(1)物価高への対応(2)構造的な賃上げと投資拡大(3)デジタル技術の活用など人口減少を乗り越えるための社会変革(4)国民の安全・安心の確保―の4本柱。
物価高対応では、年末まで延長が決まっているガソリン補助金や電気・ガス代の負担軽減策を継続することに加え、低所得者への支援などを検討する。
構造的な賃上げでは、企業の持続的な賃上げやリスキリング(学び直し)などを支援する補助金、優遇税制を検討。また、半導体や蓄電池など戦略上重要な物資の供給力強化に向けた投資を促進するための優遇税制も盛り込む方針。
国民の安全・安心の確保では、防災・減災などの災害対策、国土強靱(きょうじん)化に関する施策を実施する。
経済対策を巡っては、与党から大規模な対策を求める声がある一方、財政規律を考慮する必要があるとの指摘も出ている。
時事通信