ウィーン: 日本政府は26日、ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)総会の関連イベントとして、東京電力福島第1原発の廃炉作業や福島県の復興状況を説明した。各国参加者からは、同原発からのトリチウムを含む処理水の放出に関する質問も相次いだ。
中国の参加者は、廃炉や除染作業での他国との協力の可能性について質問。経済産業省幹部は「日本だけでなく国際的知見の活用が不可欠だ」と指摘し、必要に応じて協力を仰ぐ姿勢を示した。
このほか会場からは、処理水放出について「万が一、トラブルが発生したらどうするか」「(海水で希釈している)処理水の濃度を上げてはどうか」といった疑問や意見が出た。
イベントには東電担当者が加わり、原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の回収方法や、避難者の帰還状況なども説明。酒井庸行経産副大臣は「廃炉を進める上で不可欠だ」と処理水放出に理解を求めつつ、活発な議論を歓迎すると述べた。
時事通信