
政府は11日、首相官邸で花粉症対策に関する関係閣僚会議を開き、来年の飛散時期を見据えた「初期集中対応パッケージ」をまとめた。人口が多い都市部周辺を中心に、発生源となるスギ人工林の伐採や、花粉の少ない品種への植え替えを重点的に進める区域を今年度中に設定するのが柱。今月中に取りまとめる経済対策に盛り込む。
岸田文雄首相は会議で「国民の安心安全の確保に向け、パッケージに沿った花粉症対策を強力に進めたい」と語った。
重点区域は都道府県が設定する仕組みで、伐採に必要な専用道の整備なども推進する。林野庁が今後、具体的な基準などを定める方針。発生源対策では、住宅用資材へのスギ材の利用促進や、伐採に用いる高性能林業機械の導入支援も盛り込んだ。
飛散対策では、飛散量の予測が国民に分かりやすく伝わるよう、標準的な表示ランクを年内に設定する。発症・暴露対策として、空気清浄機やマスクといった花粉症対策製品の普及啓発などを実施する。
政府は5月に、花粉症対策の全体像をまとめ、スギ人工林を10年後に約2割減少させ、約30年後には花粉の発生量を半減させる目標を掲げた。10年後には花粉の少ない苗木をスギ苗木全体の9割以上とすることを目指す。
時事通信