
内閣府の宇宙政策委員会は5日、来年に予定されていた火星衛星探査計画「MMX」の探査機打ち上げを、2026年に2年延期することなどを盛り込んだ宇宙基本計画の工程表改定案を大筋で了承した。年内に開かれる政府の宇宙開発戦略本部(本部長・岸田文雄首相)で正式決定される。
今年3月のH3ロケット1号機の打ち上げ失敗による影響。このほか、H3での打ち上げが予定されている国際宇宙ステーション(ISS)への新型補給機(HTV―X)や、インドとの協力で月の南極域に探査機を着陸させる計画(LUPEX)なども1年程度遅れる。
MMXは、火星の衛星「フォボス」から試料を持ち帰るサンプルリターンミッション。来年にH3で打ち上げ後、25年度に火星近傍に到着。29年度の地球帰還を計画していた。
火星は約2年ごとに地球に近づくため、次の打ち上げ機会は26年となり、その場合、試料の帰還は31年度となる見込み。