石川県能登地方を震源とする地震の被災者を支援しようと、民間企業が食料品などの供給に続々と乗り出している。コンビニ各社がパンや飲料水などの提供を決めたほか、食品メーカーも救援物資を用意。中部電力などは人員を派遣し、停電復旧作業に当たる。
セブン―イレブン・ジャパンは3日、石川県七尾市と富山県氷見市にペットボトル入り飲料水計1200本を無償提供。ローソンもパンや飲料水、カイロなどを順次配送し、医療従事者向けには石川県七尾市内の総合病院に栄養調整食品「カロリーメイト」を5400個届ける。ファミリーマートは同県内の避難所にパンを配達し、4日はおにぎりを送る予定だ。
農林水産省は被災県からの要請に基づき、業界団体を通じて食品メーカーに物資の調達を依頼している。日清食品ホールディングスはカップ麺などを、山崎製パンはパン4万7700食を提供。同省によると、粉ミルクやパックご飯の配送も始めているという。
また、厚生労働省は需要の高い紙おむつや生理用品について、業界団体を通じてメーカーに供給を要請、3日から届け始めた。
停電の復旧作業にも支援の手が届く。配電設備の損傷により、石川県では3日午後3時半時点で約3万3000戸が停電している。中部、関西両電力は2日、計115人の派遣を発表。電力を供給する高圧発電機車や高所作業車なども現地に送り込んで、対応に当たる。
ただ、深刻な状況は続いている。斎藤健経済産業相は3日、記者会見し「(余震で)新たな停電が発生している。地面の状況が悪いこともあり、復旧にはなお時間を要する」と語った。約70のガソリンスタンドも営業を停止。燃料出荷は再開したものの、支援物資輸送で道路が渋滞していることなどから、経産省の担当者は「通常通りの配送ができていない」としている。
JIJI Press