
【ソウル時事】韓国軍によると、北朝鮮は14日午後2時55分(日本時間同)ごろ、平壌一帯から中距離級の弾道ミサイルと推定される1発を日本海に発射した。日本の防衛省も北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられると明らかにした。
防衛省によると、最高高度は50キロ程度以上で、少なくとも約500キロ飛行した。韓国軍は飛距離を約1000キロと説明した。ただ、中距離弾道ミサイルの通常の射程は3000~5500キロ程度。
韓国の申源※(※サンズイに是)国防相は10日、聯合ニュースのインタビューで、北朝鮮が1月中に新型中距離弾道ミサイルの発射実験を行う可能性があるとの見方を示していた。新型は固体燃料式で液体燃料式に比べて迅速な発射が可能とされる。北朝鮮は昨年11月にエンジンの地上燃焼実験に成功したと発表した。
北朝鮮の弾道ミサイル発射は昨年12月18日の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」以来で、今年初めて。日米韓3カ国が先月19日にミサイル警戒情報即時共有システムの稼働を開始してからも初めてで、韓国軍は「米国や日本の当局と情報を緊密に共有している」と強調した。
日本政府は、弾道ミサイル発射について「国連安保理決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」と批判し、北朝鮮へ厳重に抗議した。航空機や船舶などの被害の情報は確認されていない。岸田文雄首相は発射を受け、国民への迅速な情報提供、航空機・船舶の安全確認、不測の事態に備えた万全の態勢を指示した。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は今年に入り、韓国を「主敵」として「大事変を一方的に決行することはないだろうが、戦争を避ける考えも全くない」と主張し、緊張を高めている。韓国軍によると、北朝鮮軍は今月5~7日に黄海上で砲撃を行った。
JIJI Press