
自民党は13日、派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、党所属国会議員ら384人を対象に行ったアンケートの結果を公表した。パーティー収入のキックバック(還流)や中抜きについて政治資金収支報告書に不記載や不正確な記載があったのは85人で、2018年からの5年間で総額5億7949万円に上った。野党は真相究明には不十分だとして政治倫理審査会の開催を要求した。
14日には岸田文雄首相が出席して政治資金問題に関する集中審議が衆院予算委員会で予定されており、与野党の論戦が激化しそうだ。
アンケートは野党の要求を受け、党所属議員全374人と新人・前職・元職の選挙区支部長10人を対象に実施。その結果、安倍派と二階派に所属する議員82人と支部長3人に記載漏れや不正確な記述があった。立件され党を離れた議員ら3人は対象外で、不記載額は二階派会長の二階俊博元幹事長(3526万円)が最多。次いで安倍派の三ツ林裕巳衆院議員(2954万円)と萩生田光一前政調会長(2728万円)が多かった。
自民はアンケートに加え、85人と8派閥・グループの責任者への聞き取り調査の結果を週内にも公表し、党則に基づく処分を検討する方針だ。
一方、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党は13日の国対委員長会談で、自民の調査では真相究明は望めないとして、安倍、二階両派幹部から弁明を聴取するための政倫審の開催を求めることで一致。この後、野党の代表者が衆院政倫審の田中和徳会長に開催を申し入れ、田中氏は「重く受け止める」と応じた。
自民は24年度予算案採決の前提となる中央公聴会の22日開催を目指している。立民の安住淳国対委員長は記者団に、自民が政倫審に応じなければ「中央公聴会の日程の話はできなくなる」とけん制。同時に「嫌なら参考人(招致)や証人喚問に切り替えざるを得ない」と語った。
時事通信