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世界のエネルギー危機は「マネジメント」の問題であると、クレセント・エンタープライズCEO発言

クレセント・エンタープライズCEOのバドル・ジャファル氏、WEFの社会貢献活動に関する討論会にて。(WEF/ヴァレリアーノ・ディ・ドメニコ)
クレセント・エンタープライズCEOのバドル・ジャファル氏、WEFの社会貢献活動に関する討論会にて。(WEF/ヴァレリアーノ・ディ・ドメニコ)
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21 Jan 2023 08:01:12 GMT9
21 Jan 2023 08:01:12 GMT9
  • 問題は、エネルギーが必要な市場に確実に届くようにするための政策が生産国に欠如していることだと、UAEに本社があるCEOは述べている
  • 政府は長期的に有益となる政策で供給問題を解決することを学ぶ必要がある、とバドル・ジャファル氏はアラブニュースに語った 

タレク・アリ・アフマド

ダボス:ロシアとウクライナの戦争により、世界は第二次世界大戦以来もっとも深刻なエネルギー危機に直面しているが、UAEに本社があるクレセント・エンタープライズの最高経営責任者であるバドル・ジャファル氏はアラブニュースに対して、それは実際にはむしろ「マネジメント危機」であるとの見解を示した。

ジャファル氏は、ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会の合間に、「エネルギー危機というと、エネルギー源そのものに何らかの題があるかのような印象を与えます。しかし実際には、問題はもちろん、エネルギーが(必要な)市場に確実に届くようにするための政策が生産国に欠如していることなのです」と語った。「そしてこれは根本的に、世界の大部分にエネルギー安全保障を提供するために、重要なエネルギー源に対してもうずっと何年も投資不足が続いていることと関係しているのです」

トップ記事がそれを物語っている。英国では、コスト削減の手段として自宅で電気暖房やガス暖房の代わりに石炭炉を利用しようと提案する広告が目につき、欧州ではこれからやってくる厳しい冬に備えようという警告が出されている。

「そのため、私はこれをマネジメント危機と呼んでいるのです。言葉遊びをしているわけではなく、私たちは学ぶ必要があるのです」とジャファル氏は述べている。「政策立案者は、短期的な政治ではなく、長期的に有益となる政策によってこれらの問題を解決することを学ぶ必要があります。短期的な政策でこれらの課題に対処(しようと)すれば、このような結果になってしまいます」

ダボス会議では毎年、キュレーションパネルが地球温暖化、気候変動、世界の石油依存を抑制する必要性について警鐘を鳴らしている。しかし、実際にはほとんど変化はみられない。皮肉なことに、グリーンピースが委託した新たな調査により、昨年の会議期間中にプライベートジェットの排出量が4倍になったことが明らかになった。着陸した1,040機のプライベートジェットのうち、53%は電車や自動車で簡単に移動できる750km未満の距離を飛行しており、もっとも短い飛行距離はわずか21kmであった。

今週開催されたWEFの会議で、「社会貢献活動:地球を守る触媒」と題されたセッションで講演する米国の気候問題担当大統領特使(右)。(WEF/ヴァレリアーノ・ディ・ドメニコ)

アントニオ・グテーレス国連事務総長は1月18日のスピーチで、聴衆とその周りの社会を非難した。「私たちは気候災害を軽く見ているのです」と彼は述べた。「毎週、新しい気候の恐怖の物語が登場します。今日も化石燃料生産者とその支援者たちは、自分たちのビジネスモデルが人類の生存と矛盾していることを十分に承知したうえで、競って生産拡大しようとしているのです」  

ジャファル氏も同意見だが、これは気候だけの問題ではなく、むしろ環境と連動している問題だと考えている。

「気候が自然と連動していることは、もちろん世界が受け入れるべきものです。私たちのエネルギーシステムが環境により優しくなるように支援して実現させることが不可欠なのです」とジャファル氏は述べている。「地域レベルだけでなく、グローバル(なレベル)で、企業と政策立案者と市民社会が一体となって取り組む必要があります」

世界中の国々が気候変動に関する法律を承認し、排出量を削減し、よりクリーンで優れたエネルギー源を見つけることを約束しているにもかかわらず、さらに多くのことを全面的に行う必要がある。

「私は、成長と気候は表裏一体だと考えています。そしてそのコインの縁は、いうなれば、低排出量を追求しながらも低成長は追求していないことを確認できるような有益な政策なのです」とジャファル氏は述べている。

11月には第27回気候変動枠組条約締約国会議(COP27)がエジプトで開催され、今年末にはUAEでCOP28が開催されることから、WEFの中東・北アフリカ地域責任者であるマラウンド・カイローズ氏が以前のインタビューで語ったように、今こそ「2035年に向けてこの地域がリーダーかつパイオニアとなるための舞台を整える」絶好の機会であると考えている人が多い。

「UAEは再生可能エネルギーを構築することでそれを行ってきました。すでに少なくとも20ギガワットの再生可能エネルギーへの支援と投資を行っており、2030年までに100ギガワットに増やす目標を掲げています」とジャファル氏は述べている。

実際、2021年にはUAEネットゼロ2050という戦略イニシアチブが発表され、UAEは中東・北アフリカで初めて排出ネットゼロの目標にコミットした国となった。

クレセント・エンタープライズCEOのバドル・ジャファル氏、ダボス・クロスターズで開催されたWEF年次総会2023にて、2023年1月17日。(WEF/ヴァレリアーノ・ディ・ドメニコ)

ジャファル氏はまた、グローバルな社会貢献活動と信仰に基づく寄付も、その可能性が十分に発揮されていない不可欠な投資形態であると指摘した。

「気候変動に関する社会貢献活動は急成長しています。この5年間で3倍に成長しており、今後数年で大きく成長する可能性があります」とジャファル氏は述べている。 

「私たちは意識を高め、同盟関係を築く必要があります。これはCOP28が行うことでもあります。つまり、私たちのネットゼロで自然を回復させる目標を推進するために、ファミリーオフィスやその他の創造的資本と連携する社会貢献活動家たちが、本当に団結するための同盟を作る手助けをするのです」

ジャファル氏は、新興市場において今後数年間で大きな変化をもたらす動きがあると主張している。 

「1つ目は、これらの市場において社会貢献活動の制度化が進んでいることです」とジャファル氏は述べている。「2つ目は、世代間の大規模な富の移転です。アジアだけでも、次の世代へおよそ5兆(受け継がれる予定)です」

「そして3つ目は、気候危機が、健康、食料安全保障、国家安全保障、そしてもちろん社会正義といった他のシステムと相互に関連していることが、より強く認識されるようになっていることです」

ジャファル氏は、このような動きは、世界が「慈善活動の大きな変化と大幅な増加だけでなく、気候変動に関する社会貢献活動」を目撃することを意味すると考えている。

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