
特許庁が、2024年度から途上国のスタートアップ(新興企業)を対象に、特許権や商標権など知的財産管理の支援を行うことが15日、分かった。日本が国連の専門機関に設けた基金から約2億円を充て、同機関が経営や知財の専門家を新興企業に派遣する。途上国の知財制度を整えることで、日本企業が現地で特許権などを取得し活用しやすくする狙いもある。
特許庁は21日、国連の世界知的所有権機関(WIPO)との間で、協力関係の強化を盛り込んだ共同声明に署名する予定。特許庁は、国内では22年度までに85社に専門家を派遣し、支援を通じて計460件の特許出願を実現させた。こうした知見をWIPOと共有し、同様の取り組みを途上国でも展開する。
日本は、WIPOに途上国の知財支援を目的とした信託基金「ジャパンファンド」を設置している。同基金に対する24年度の拠出額は約7億円となる見通しで、その一部を専門家派遣に充てる。こうした「伴走支援」は、23年度に試験的に行っていたが、24年度から本格化させる。
時事通信