東京:日本の上川陽子外相は、モスクワのコンサート会場襲撃事件は、特にラマダンやクリスマス等の祝日の前には注意が必要であることを示していると指摘する一方、イスラム教とテロとの結びつけるような警告が繰り返されているものの、それらの結びつけを得ようとするものではないと説明した。
外務省海外邦人安全課が中東へ渡航する日本人に対して、ラマダン期間中(特に礼拝日である金曜日)はテロが発生する可能性があると繰り返し警告していることに関するアラブニュース・ジャパンの質問に、上川氏は「ラマダン期間において、過去にイラク・レバントのイスラム国(ISIL)等のイスラム過激派組織が作戦強化の呼びかけを行うなどしている」と述べた。
またラマダン期間中は「テロの脅威が高まる恐れがある」ことから、「外務省は例年、ラマダン期間の前に、海外に渡航・滞在する邦人への注意喚起を行ってきている」と語った。
上川氏は、外務省として2月29日に広域情報を発出しており、3月22日にモスクワ郊外でテロ事件があったと指摘しつつ、ラマダン期間中にイスラム過激派組織が活動を活発化させる可能性について、注意喚起を行うためのものであると付け加えた。
上川氏は、「イスラム教とテロとの結びつけを得ようとするものではない」として、ラマダンに限らず「クリスマスや年末年始、バカンスシーズン、大型イベント等の前には人が多く集まる機会が増え、テロの標的等になる可能性が高まる傾向にあるため、同様に注意喚起を実施している。以上の点について、正しくご理解いただければ幸いだ」と説明した。