
シリコンバレー:米メタ(旧フェイスブック)の投稿管理を検証する有識者による「監督委員会」は16日、短文投稿アプリ「スレッズ」上で岸田文雄首相を批判した投稿に対する措置を巡り、意見公募を始めた。メタが暴力表現を理由に投稿を削除したが、投稿には誇張表現が含まれており、削除は誤りと結論付けて回復させた。ただ、政治的な投稿の取り扱いを検討するため意見を募り、提言に生かす。
監督委がスレッズの案件を扱うのは初。メタは、スレッズで利用者がフォローしていないアカウントの政治的投稿を推奨表示しないようにしている。監督委は公募を通じ、メタが当該投稿に取った措置の是非ではなく、こうした運営が政治的な言論を知る機会にどう影響を及ぼすかを尋ねている。
首相への批判は、自民党岸田派の国会議員が政治資金パーティー収入の一部を収支報告書に記載していなかった問題に関するもの。1月に投稿されたニュース記事の画像投稿に返信する形で、「脱税」や「くたばれ」などと記されていたという。
メタの審査担当者は、死をあおる言動が各国首脳に向けられた場合、「暴力と扇動」に関する規約違反となるとの社内の指針に基づき削除した。投稿者がこの措置に対し、言論の自由の侵害として監督委に申し立て。同委はメタの判断が誤りだったと判断した。
時事通信